微妙なタイヤの空気圧セッティング 効果は大きい
サーキット走行時と街乗りの時とではタイヤの空気圧を変える。これはサーキットを走る人には常識といえる話でもある。だがその理由はいったい何なのだろうか。サーキットの路面は一般道に比べて摩擦が大きく空気圧が上がりやすい、だから街乗りより空気圧を下げた状態でまずは走行スタート、というのが基礎であるが、もう少し踏み込んで解説していこう。
タイヤ負担増のサーキットに合わせた空気圧
街乗りでいう『タイヤの適正な空気圧』とは、安全性や快適性をイチバンに考えた場合の数値で、幅の広い気温や路面温度に対応するためのモノ。しかしサーキットでは路面のグリップも車速も異なり、タイヤにかかる負担は一般道と比較にならないほど大きい。だから走る前は少し空気を抜いて低めにし、走り終えたら元どおりにするというワケだ。
またコースイン直後の数周はアクセル全開走行はせずタイヤを温め、一度ピットに戻って空気圧が上がったかをチェックし、必要があれば再び調整してから本気のアタックを始める、という一連の流れも経験者ならよく知っているだろう。
しかし脱ビギナーを目指すなら、さらに上のセットアップ術も知っておきたい。タイヤの空気圧をわずかに変更するだけで、クルマの動きがまるで見違えるほど別モノのようになる。お金はかからず時間もわずかとデメリットは皆無なのだ。