ドラッグレース用
特殊なところではドラッグレースに特化したモデルとして設計された「マックスIV SP DRAG」がある。こちらは直線をいかに速く加速するかに重点を置かれている。
具体的には後輪にトラクションをかけ続けるため、リアは縮みやすく伸びにくい減衰を設定。直進性を高めるためにフロントは逆に伸びやすく縮みにくい減衰を備えている。さらにドラッグレースでは十分なストローク量を確保することが重要なため、長めのストロークを備えているのも特徴だ。サーキット用やストリートモデルに対してやや車高が高めになる傾向にあるのも独特といえる。先に紹介したサーキットやドリフト向けのモデルなどとは異なり、コーナーリング特性を考えたモデルではないため、普段使いには適さないので要注意だ。
ストリート用
ストリートでの走行を意識したモデルは、オールマイティでワイドレンジな性能を備えている。HKSのラインアップでは「マックスIV GT 20 SPEC」などがそれにあたる。乗り心地とスポーツ性能を両立させ、峠からサーキットまでをカバーする性能を備えている。ストロークはショートだが、そのなかでも良く動く足にしているのが特徴だ。バンプタッチさせてから踏ん張るセッティングにもそんな意味がある。
近年のトレンドとしては伸び側の減衰を若干ゆるめに設定して、縮み側は強くする傾向がある。こうすることで路面に吸い付くようなフィーリングとなり、路面からのインフォメーションも掴みやすい足まわりにできるのだと言う。
ドレスアップ用
ローダウンに特化したモデルもある。HKSでは「ハイパーマックスSスタイルX」がそれだ。とにかくローダウンフォルムを極めたい、そんなユーザーのニーズに合わせた設計が施される。ドレコンなどで美しいローフォルムを求めつつ、会場までを自走で行くというユーザーを想定して作られた。車検に必要な最低地上高は確保しつつギリギリの低さを追求する設定となっている。
ローダウンを重視するモデルのもうひとつ特徴は、ロールを押さえる性能。ロワード車の多くはタイヤとインナーフェンダーとのクリアランスが狭かったり、ロールすると各部を擦るケースがある。そこでスプリングレートを高めてロールを抑える方向のセッティングとなっているのだ。しかしこのままでは乗り心地が悪くなってしまうため、減衰の立ち上がりを弱くして奥でしっかり減衰を効かせる設定としているのも独特。減衰の立ち上がりが緩やかになるため、ギャップを越えたりする際にもガツンと突き上げが来ないセッティングとしているのだ。
このように、車高調にも走行するフィールドや目的に合わせた特性があるのを理解できただろうか。自分のクルマや走り方に合わせた車高調を用意することで、性能の追求や快適性をアップすることが可能となっているのだ。