夏キャンプと冬キャンプの最大の違いは「気温」
高原であっても夏の最低気温は10℃くらいまでだが、冬のキャンプは雪が積もらない場所でも0℃を下まわることは珍しくない。雪中キャンプなら-10℃くらいになるのも当たり前。寒さが与える影響を知り、初めての冬キャンプに備えよう。
寒いと電池消耗が激しい→ 予備電池を用意、電気なしも想定
日常生活であっても、冬、外でスマホを使っているとバッテリー残量がガクンと落ちることに気づくだろう。
冬キャンプでは、テントやシェルター内でも安心して使えるLEDランタンが便利だが、寒い日はスマホ同様、電池の減りが早い。自宅を出発する前にしっかり充電しておきたい。
また、この2〜3年、ポータブル電源の小型大容量化がめざましく、ポーターブル電源を持ち込んで電気毛布を使うキャンパーが増えている。ポータブル電源の容量、電気毛布の消費電力によるが、明け方に電池がなくなってしまうと大変だ。ポータブル電源の下に断熱マットを敷くなど防寒対策をするとともに、ダウンブランケットを用意するなど電気がなくなったときの備えも忘れずに。
なお、スマホは寒さに弱いからといって、使い捨てカイロといっしょにポケットにいれるのは危険だということも覚えておこう。
飲料水や食品が凍ってしまう→断熱材入のジャグ・クーラーボックス・ペーパーを用意
ペラペラのジャグは断熱性が低く、底から残り10cmを切るほどの水位になったら一夜で半分ほど凍ってしまうことも。
ほかにも、表面に残っていた水分が凍って食器同士がくっつく、野菜が凍ってベチャベチャになるなどいいことがないので、冬でも断熱材入のジャグやクーラーボックスは必要だ。またクッカーや食器類はいちいち炊事場に行って洗うよりも、ペーパーや布で汚れや水分を拭き取ることが多いのでウエスやペーパーを多めに用意したい。
雪や汗による冷えが馬鹿にできない→予備靴下、肌着を用意する
雪や汗で肌が濡れると、最初は大したことなく感じていても時間が経つうちに体が冷えてくる。靴下、肌着は速乾性の高いものを着用し、できれば1〜2枚余分に用意。濡れたら着替えるのがベストだ。とくに小さな子は遊んですぐに汗と雪でぐっしょり濡れるので、多めに着替えを用意しておきたい。
また靴の脱ぎ履きのときにテント内に雪を蹴りいれやすいので、テントの出入り口外側にすのこを置いて雪が入りにくくする、小さなベンチを置いて座って脱ぎ履きできるようにするなど工夫が必要だ。靴が入る幅だけ出入り口の雪を少し掘っておくのも有効。
テントのファスナーが凍る→ファスナー用潤滑剤、テントの撥水性回復
結露した水分が凍ってファスナーが動かなくなると焦ってしまう。ファスナー専用の潤滑剤を塗布するか、ろうを塗って撥水性を高めることで凍結を予防できる。忘れずに対策を施しておきたい。
また、テントの撥水性が落ちていると、雪や雨がするりと落ちてくれない。設営後に撥水スプレーを噴きつけて少しでも撥水性を回復させておこう。
地面の冷えが睡眠を阻害する→マット、シートで冷え予防
薄いマットしかないと、地面からの冷えをダイレクトに感じてしまう。また、雪中キャンプでは溶けた雪で床全体がしっとり感じる。
テントの下に床からはみ出ない程度のシートを敷いてしっかり濡れ対策をして、さらにテント内はマットを何枚も重ねて置くことで冷えを防ぎたい。マットが少ないと感じたら、かっこ悪いけれど包装用のプチプチやダンボールを追加してもいい。
また、リビングでも足先が冷えると凍えてしまう。地面に直接足先がつかないよう、足元に薪やすのこを置いて、足先を載せられるようにしておこう。
近頃人気のハンモック泊の場合は、アンダーキルト、アンダーブランケットなどと呼ばれる中綿入りのシートでハンモックの外側を覆うと効果的だ。
ガスバーナーのパワーが落ちる→ブースターを用意、マッチを忘れない、煮込みは焚き火で
ガスバーナー、とくにCB缶を使うバーナーの場合、たとえ寒冷地用の燃料を用意していても氷点下のキャンプで長時間使っていると急にパワーが落ちることがある。燃料缶が冷えすぎるのが原因だ。
あれば、熱を缶に伝えて冷えすぎを防止する専用ブースターを用意しておこう。ブースターがない場合は、面倒でも中途半端に残った燃料缶を新しいものに交換。長時間の煮込みであれば、焚き火に任せるのもテだ。
また、バーナーの自動着火装置は気温が低いとうまく火花が飛ばないことがある。いざに備えてマッチも忘れずに用意しておきたい。