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20〜30年落ちなのに新車超えの中古価格! 買っときゃよかった「90年代国産車」5台

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TEXT: 遠藤イヅル  PHOTO: スバル、日産、遠藤イヅル、Auto Messe Web編集部

程度が良ければ250万円前後のトヨタ MR2(2代目・SW20型)

 「フィアットX1/9」のように、FF量産車のコンポーネンツをそのまま利用して、リーズナブルなミッドシップスポーツカーを作る方法で生み出された「トヨタ MR2」。1989年にデビューした2代目(SW20型)からは、排気量を2リッターまで拡大して性能をアップ、ボディも大型化するとともに流麗なスタイルを得た。MR2の2代目はウェッジシェイプなデザインではなく丸みを帯びたスタイリングとなった

 90年代を代表する国産スポーツカーとして、同門のスープラや同クラスの「ホンダ S2000」の価格が高騰しているが、2代目MR2も相場があがっており、気がつけば200〜250万円台がボリュームゾーンに。たしかに高価になってしまったが、本格的なMRスポーツカーというMR2は、今後も早々出てくるような種類の車ではないので、250万円という価格にも今となっては価値があるように思える。5ナンバーボディのコンパクトさも魅力だ。

こちらも相場は250万円……軽のマイクロスポーツカー「オートザム AZ-1」(PG6SA型)

 今や軽自動車はスペース効率重視で、ミラやアルトのような「1.5 BOX型」すら数を減らしており、スポーツカーといえば「ホンダS660」だけがひとり気を吐いて頑張っている。そう思うと、軽の本格的マイクロスポーツカーのABCトリオ……すなわち「オートザム AZ-1」「ホンダ・ビート」「スズキ・カプチーノ」を同時に売っていた90年代は、やはりスゴい時代だったなあと思う。バブル期に登場したミッドシップ軽スポーツカーのAZ-1

 中でもMR(ミッドシップ)+ガルウイングドアという、エキゾチック・スーパーカーも真っ青なスポーツカー「AZ-1」は、その贅沢な設計にバブル期の勢いを感じさせる。軽自動車としては初のガルウイングドアを採用した

 AZ-1は以前からプレミア価格傾向だったが、今ではそれがさらに上がり、主に180〜250万円前後で流通している。今回確認した最高価格帯には、マツダスピードのチューンパーツ(ツーリングスペックAキット)を組み込んだ「マツダスピードバージョン」があり、その販売価格は348万円である。うーむ、希少価値を考えると、この値付けが高いのか安いのか、わからなくなってきた!

海外でも大人気! 300万円オーバーもある「日産・フィガロ」

 最後はスポーツカー以外を取り上げよう。日産が80年代末から90年代にかけて発売した「パイクカー」の「Be-1」「パオ」「フィガロ」は、以前は残存数も多く、価格も手に入れやすい水準にあった。

 しかし発売から30年前後を過ぎたこと、もとより台数が少ないこと、さらには、フィガロは海外に輸出されてカルトな人気を誇っていたりする(イギリスには、フィガロのオーナーズクラブまである)ため、これも気がついたら早々手に入れにくいクルマたちになってしまった。フィガロを例にとると150〜200万円の個体が多く、最高値は230万円ほどする。日産が80年代末から90年代にかけて発売した「パイクカー」のフィガロ

 しかし、パオやフィガロの特徴は「他にクルマにはない、圧倒的な個性」であり、欲しいユーザーにとってみれば、価格はあまり気にならないかもしれない。日産座間記念湖に展示されているフィガロ

大切なのは個々の「価値観」

 今回あげた5台以外にも、価格が高騰しているモデルが多数ある。しかし、30年前後経過していることや、希少性・価値を考えれば、いつまでも昔日の価格帯で売ることができないことを理解しなければならないだろう。

 また、現在まで残っているクルマは、逆に言えば長年にわたる整備を受け続けて状態が良いことも多く、それも価格を高める要因にもなっている。とはいえ、あまりにも高価になり過ぎて、「こんなに高くて誰が買うのだろう?」という中古車があるのも事実である。

 いずれにせよ、それを高いと思うのか、安いと感じるのかは、個々の感覚や価値観によるものなのは間違いないことだ。

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