V8エンジンに比べて50kgも軽量になった
マクラーレンのロードカーが代々追求してきた軽量化について、アルトゥーラの状況に関しても紹介しておきましょう。そもそも、カーボンファイバーを成形したモノコックをベースとして、新たに開発されたMCLA自体で軽量化が実現されています。ミッドシップに搭載される3リッターエンジンは、アルミ製で重量も僅か160kgに抑えられていますが、これは同社のV8エンジンに比べて50kgも軽量に仕上がっています。
またV6レイアウトを採用したために、V8に比べるとサイズ的に随分コンパクトに仕上がっていますが、ドライサンプ仕様としたことでエンジンの高さが抑えられ、パッケージの面でも低重心化に大いに効果がありました。そして軽量化は電気系統で使われる配線の重量(10%の削減に成功)にまで及び、ハイブリッドコンポーネントの総重量もわずか130kg。
車両本体の重量も1.4tを切るレベルで、ハイブリッド・パワートレインを搭載していないコンベンショナルなスーパーカーと同程度に抑えらえれています。3リッターのハイブリッド・パワートレインを搭載したスーパースポーツであることを考えるなら、この車重は圧倒的です。
そしてその結果、パワーウェイトレシオは約2kg/PSとなり、0~400m加速が10.7秒、0~100km/h加速が僅かに3秒、そして最高速は電子制御で制限されていながら330km/hを実現しています。
日本円に換算すると約2739万円!
気になる価格ですが、英国では18万5500ポンドから。日本円に換算すると約2739万円。実際に買うことができるかどうかは別にして、技術的な内容とパフォーマンスを考えるなら、リーズナブルな価格設定だということは間違いないでしょう。
ちなみに、マクラーレンにとって最初のロードゴーイングカーは、F1コンストラクターとしてまだまだ黎明期だった60年代に計画されたマクラーレンM6GTでした。チーム(コンストラクター)を創設したブルース・マクラーレンの夢の一つが、彼の名を冠したロードゴーイングカーを完成させることだったのです。末裔の活躍を天国から見つめているブルースに、アルトゥーラはどのように映っているのでしょうか?