冬の車中泊を快適に過ごすためのアイテムを紹介
寒い時期の車中泊を快適にするポイントはなんといっても「冷え防止」。ガラスと鉄板に囲まれたクルマは、エンジンを切るととたんに冷えてしまう。寒さは体に堪えるし、結露で寝袋や着替えが濡れるとやっかいだ。
かといってエンジンをつけっぱなしにすると音が響くし、排気ガスが逆流する危険がある。とくに雪でマフラーがふさがると、逆流による一酸化炭素中毒の危険は高くなる。エンジンを切って、車内で心地よく過ごすには何が必要なのだろう?
銀マットと防水バッグで床の断熱
シートや荷室をフラットにしたら、いつものマットの下に厚手の銀マットを敷いて底冷えを予防する。見落としがちだが、ドアのステップから冷たい空気が流れ込みやすいので防水バッグやビニール袋に道具をいれて、それをステップ付近に置いて防いでおきたい。
厚手のシェードやマットで窓の断熱
窓の断熱に効果的なのは厚手の中綿入りシェードだ。車種別に設計されたシェードは小窓までぴったり塞げて見た目もいい。ただ、いちいち小さな窓にまで取り付けるのは手間がかかるし、クルマを買い替えた際に使えない場合も。
もっと楽に窓断熱をしたいなら、少し大きめの銀マットを窓に立てかけるだけでもいい。見た目はいまいちだしかさばるが、ただ立てるだけなので準備も後片付けも簡単。中綿入りシェードも銀マットも、窓が結露したとしても車内側までにじみづらく、寒さとともに寝袋を濡らすのを防げることも利点だ。
締め付けず速乾性の高いウエアを重ね着
きついゴムが入ったウエアや靴下は血行を悪くする原因になりかねない。ゆったりした服を重ね着してこまめに温度調節するのがベストだ。また、気をつけたいのはアンダーウエア。寒い時期でも汗は出るので、汗でアンダーウエアがしっとりしたままだとそれだけで冷えてしまう。速乾性の高いアンダーウエアを身につけておきたい。
冬用寝袋でも足元と首にフリースをプラス
就寝時は保温性の高い冬用寝袋を用意する。大きく開き、寝袋の中に入りやすいため車中泊でよく用いられている封筒型寝袋は、首元が冷えやすいのでどちらかといえば夏の車中泊向き。封筒型を使う場合は、フードが付いていない場合はニットキャップをかぶり、首元をブランケットでカバーしておきたい。
また、マミー型にも使える技だが、保温性の高い寝袋でも足先が冷えやすいため、寝袋の中にフリースの着替えやブランケットなどをいれると朝まであたたかく眠れる。
保温ボトルを用意してこまめに水分補給
乾燥防止とエコノミー症候群予防のためにも、こまめな水分補給が必要だ。保温ができるボトルに湯を詰めておくといつでも温かい飲み物を作れて重宝する。余った湯は翌朝の歯磨きや洗顔に使えるので、大きめの保温ボトルがほしいところだ。
防災アイテムにもなるポータブル電源と電気毛布
車中泊やキャンプの旅で脚光を浴びているのがポータブル電源だ。大容量でもコンパクト化が進み、価格もこなれて手に入れやすい。キャンピングカーのようにエアコンを使うことはできないが、電気毛布くらいなら利用可能。
電気毛布にくるまり、小さなトレイを膝にのせればこたつ感覚で過ごせる。また、掛敷タイプなら、寝袋の下に敷けば底冷え知らず。なお、手に入れるなら正弦波で、氷点下に対応するもの、安全保護回路付きを選びたい。
モバイルバッテリー対応の電気毛布
ポータブル電源は大げさだと考えるなら、スマホ充電用のモバイルバッテリーを使える電気毛布で代用。コンセントで繋がれた電気毛布と違い、自由に歩けるのでキャンプやスポーツ観戦、釣りなど使用シーンが幅広くて使い勝手がいい。
どんなに換気しているつもりでも、狭い車内でガスや灯油のストーブ、豆炭アンカを暖房器具として使うのは危険だし、燃焼系ランタンで照らしたりバーナーで調理したりはご法度。一酸化炭素中毒だけでなく、火災の危険も見逃せない。安全で楽しい旅にするためにも、燃焼系の道具を使わず快適にすごす工夫につとめよう。