服部茂章代表率いるHRE挑戦のトラックシリーズは波乱の幕開け
アメリカでもっとも人気のある自動車レースが「NASCAR(ナスカー)」だが、その2021シーズンも、伝統のデイトナで開幕となった。昨シーズンは、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、大半のレースがフリー走行や予選セッションも行なわれず、ぶっつけ本番の決勝レースが無観客で行なわれることとなってしまったが、今シーズン開幕戦は、フリー走行、予選も設定されてのレースとなった。
今回HREは「United Rentals」の支援を受け、Car # 16「United Rentals TOYOTA TUNDRA」をデイトナに持ち込んだ。レギュラードライバーには、チームに合流して3年目になるオースティン・ヒル選手を引き続いて起用。チームとしては、2018シーズンに獲得したトラック・シリーズのタイトルを奪還すべく、今季もこれに挑んでいく。
2月11日(木)のフリー走行では、高速でのドラフティング時のハンドリングの確認を中心にセットアップを進め、2番手タイムでセッションを終えた。2月12日(金)午後3時10分からの予選セッションでは決勝に合わせたセッティングにしていた事もあり18番手くらいから決勝を迎えることとなった。
このデイトナのコースで、20周ずつの第1ステージ、第2ステージ、そして60周の第3ステージの合計100周で争われる決勝レースは、その予選終了後の午後7時30分にグリーンフラッグが振られてスタート。そしてスタート直後のクラッシュから始まる波乱の展開となっていった。
このステージブレイクでピットに戻って給油と4本のタイヤ交換とセッティング調整を行い、16番手でコースに復帰。第2ステージをスタートしてゆく。ここでも、大きく膨らんだトップ集団後方から、ドラフティングを使って順位を上げ、7番手で第2ステージのチェッカーを受けポイントを獲得。ここでチームはタイヤ無交換の給油のみで、このピットストップでもポジションを下げない作戦で最終ステージへと向かう。
ラスト5周 トップ陣のスピンに巻き込まれ
そして、47周目、最終ステージのグリーンフラッグが振られると、ここから各車のチェッカー目指した激しいバトルが展開していく。
53周目に接触から3台が絡む大クラッシュが起き、さらにそのリスタートとなった62周目にも再びクラッシュが発生。ここでHREチームは残りの周回数を踏まえてこの日最後のピットインを行なうためヒル選手を呼び戻す。ここでもタイヤ交換は行わず給油とセッティングの微調整を行なって8番手で16号車をコースに戻す展開となった。
最終ステージでのバトルは激しく80周までに続けて3回ものイエローコーションが続いたが、ヒル選手は巧みにポジションを上げて、トップ争いを展開することに。
がしかし、ギリギリの駆け引きの中で迎えた残り5周となったところで、ヒル選手の前を走る2番手と3番手のマシンが接触してその2台がもつれ合うようにスピン。ヒル選手は回避を試みるが、巻き込まれるかたちで外側のウォールに車両を激しくヒットしてしまい、ピットへ戻ることとなってしまう。
チームはダメージの大きい右フロント部を応急処置し、16号車をコースに戻したものの、2周遅れとなる22位でレースを終えることとなった。