サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

「いかにも」なスパルタン仕様は古い! いまサーキットは「乗りやすさ」がキモだった

いまどきのサーキット仕様は速さと快適性を両立

 サーキット仕様のクルマというと、サスペンションはガチガチで、エンジンもピークパワーは強烈だけど低速トルクはスカスカで……。以前は「速さと快適性は相反するモノ」と考えるユーザーやプロショップも多かったが、いまやスーパーGTの車両ですらエアコンを装備していたりする。街乗りでの使い勝手をスポイルすることなく、サーキット走行も楽しめるクルマ作りについて考えてみたい。

【サスペンション】

 まずは足まわりから。サーキット仕様=ガチガチな印象を持つ人も多いが、スプリングが硬ければ硬いほど荷重をかけるのも難しくなり、ハードブレーキングや抜くときのコントロールができない初心者には、扱いにくく曲がらないと感じてしまうケースもあり得るのだ。

 最近の市販車高調は、乗り心地は意外とソフトに感じるモデルが少なくない。柔らかめのスプリングであれば荷重移動がわかりやすいうえ、街乗りでは路面のギャップなどを越えたときの反発もソフトになる。レートの高いスプリングを試すのは、中・上級者になってからでも遅くはないだろう。

【ブレーキ】

 ブレーキは好みもあるけど初期制動が極端に強くなく、コントロール幅の広いパッドがステージを問わずにオススメだ。購入するとき注意したいのはローター適正温度で、冷えた状態では本来の制動力を発揮しないパッドは、街乗りでとっさの急ブレーキが必要なときに危険なので、低温から効いて上は600℃くらいを目安にしよう。

【マフラー】

 続いてはパワー系のチューニング。今やサーキット仕様でも低・中回転域のトルクを損なわないのが常識で、その扱いやすさはラップタイムだけでなくスムースな街乗りにも直結する。

 極端にパイプ径の太いマフラーはいわゆる“抜けすぎ”になってしまい、アクセルを踏み直したときのリカバリーにも悪影響を及ぼす。直線が極端に長く低速トルクを犠牲にしても構わないコースは別として、サーキットでも街乗りでもメリットはほとんどないと思われる。ターボ車ならタービンも同様で闇雲に大きくするのではなく、排気量やコースに合わせた適正なサイズを選ぶようにしたい。

【エアロパーツ】

 次はダウンフォースを稼ぐエアロパーツ。ハイパワーのサーキット仕様なら大柄なGTウイングとカナード、アンダーパネルやディフューザーを装着したいところ。でも街乗りにも使うクルマなら保安基準に適合しているか、基準ないでも歩行者を引っかけたりする危険性はないか、またリアのスポイラーやウイングは視界を妨げないかにも注意しよう。

【ボディ補強】

 最後はボディ補強に関して。ロールケージはサーキット専用という考えも根強いが、剛性が上がって乗り心地が改善されるケースはあるし、大きな事故に見舞われたときの安全性が高まるのも確かだ。製品によっては乗車定員の変更が不要だったり、乗降性や積載量に配慮したストリート向けもある。

モバイルバージョンを終了