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渾身の意欲作も「鳴かず飛ばず」! バブル期以降に登場した「珍セダン」8種

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: トヨタ、日産、マツダ、Auto Messe Web編集部

【三菱・ディグニティ(初代)】販売台数59台、センチュリーを超えた三菱のFFプレステージカー

 デボネアに変わる三菱自動車のフラッグシップカーとして世紀末の1999年12月に発表されたのが、プラウディアのストレッチバージョンであるディグニティだ。2代目センチュリーを超える国産でもっとも大きなボディ(全長5335mm×全幅1870mm、ホイールベースはなんと3080mm)を持っていたこと。そしてVIPカーの中では数少ないFF車ベースで、搭載される4.5リッターのV8エンジン(プラウディアは3.5リッターのV6も設定)は当時の自主馬力規制値である280馬力に到達した唯一のFF車である特筆すべき点は多かった。また、秋篠宮家の公用車として宮内庁へ納入されたことも当時話題となった。 初代セルシオに影響を受けたウエッジを抑えたオーソドックスな水平基調のボディ、重厚感あるプレスドアなどはVIPカーに相応しい佇まいを持ち合わせていたが、フロアパンやサスペンションなどは3代目デボネアを流用していたため、走行性能はライバルと比べてやや物足りなさを感じたのは事実。歴史あるデボネアの名前を止め、心機一転オールニューとなったディグニティだが、FF車のプレステージカーに否定的な意見もあり、さらに発売開始から半年後に三菱のリコール隠し問題が発覚したこで生産整理。販売期間はわずか約1年、量産車としてもっとも少ない59台の生産台数で販売終了した。ちなみに兄弟車である韓国ヒュンダイのエクウスは販売好評で、2009年まで生産された。対照的な結果となったのはなんとも皮肉である。

【トヨタ・Will Vi】「かぼちゃの馬車」がモチーフのトヨタじゃないトヨタ

 1998年に発足し、自分らしさやこだわりを大切にするニュージェネレーション層(20~30代)に向けた商品開発を行い、新たなマーケットを生み出す異業種合同プロジェクトで生まれたのが、トヨタのWillシリーズ。そのファーストモデルとしてデビューしたのがWill Viだ。

 ベースとなったのは初代のヴィッツでそのシャシー&パワートレインの上に個性的なボディを被せるスタイルは、バブルのころに日産が限定で販売したパイクカーと同じ手法だ。デザインのモチーフとなったのはなんと「かぼちゃの馬車」。全体に丸みのあるレトロ風だが、Cピラー以降を逆スラントに切り落としたフォルム(後席のヘッドクリアランスも確保)、ドアサイドに入ったプレスラインやブリスター化されたフェンダーなど新しさを感じさせた。

 とにかく、一目で脳裏に焼き付くデザインは今も街中で見かけると思わず追いかけてしまうほど個性的。季節ごとに限定色を用意するなど、女性のトレンドリーダーを刺激。販売は芳しくなかったが、Willプロジェクトの認知という点では大いに貢献した!

【トヨタ・オリジン】クラフトマンがハンドメイドで作った小さなセンチュリー

 トヨタの累計生産台数1億台突破を記念して1000台程度限定で発売されたオリジン。小さな高級車と呼ばれたプログレをベースに、センチュリーの生産ラインを担当するなかで選ばれたクラフトマンが、初代クラウンをモチーフとしたオリジナルボディをほぼハンドメイドで製作。特徴的だった観音開きも忠実に再現されている。加えてパネルのチリ合わせなど各パーツも徹底的なクオリティ管理が行われるなどプレミアムの極みな作りがなされていた。塗装と研磨を繰り返し、深みと艶のあるカラーもセンチュリー譲りだ。 内装はさすがに一新とはいかず、プログレのものをベースとしているが、本革シートの表皮&ステッチ、各パネル&パーツの本木目パネルのクオリティアップ、意匠の変更など質感を高める変更がされるなど、当時のトヨタが持つクルマ作りの技術が投入された匠レベルのクルマである。パワートレインに変更はないが、サス・セッティングの変更を含めて、車種に合わせたモディファイには着手している。

 価格はベースとなったプログレの約2倍となる700万円であったが、トヨタの考える高級車のあるべき姿に触れられると考えると決して高くない。ノスタルジックなテイストと最新技術が融合したいい意味で奇天烈なデザインを持つオリジンは間違いなくマニアックカーの極みな1台といえるだろう。

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