サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

コンパクトカー頂上決戦! 「ヤリスvsフィット」高齢者フレンドリーなクルマはどっち?

足腰が悪いならヤリス! 安心なのはフィット!!

 高齢者でも運転に自信があり、健康維持老や後を謳歌する意味でもクルマを運転していたい、という人は少なくないはずだ。そこでオススメなのが運転がしやすく、小回りが効き、なおかつ運転席への乗降性がいいクルマということになる。

 その点、最新のコンパクトカーは安全性が高まり、先進運転支援装備が充実しているのと同時に、例えばトヨタ・ヤリスにはDCM車載専用通信機とともに先進事故自動通報システムのヘルプネット(SOSコール)があり、安心感は高齢者本人のみならず、その家族も同様だ。

ヤリスならターンチルトシートもオプションで装備できる

 さらにヤリスには、福祉車両にもある運転席のターンチルトシートもオプションで装備でき、シートを車体外側に回転させることで、足腰が弱い高齢者の乗り降りを楽にしてくれたりする。

 その操作は、スライドレバーでシートを回転開始位置までスライドさせ、そこでポップアップする回転レバーを引き、シートを外側に回転するというものだ。するとシートの回転+チルト効果で地面に両足が着くため、立ち上がりやすく、着座時も膝の角度がゆるやかになるため、膝への負担が減少するわけだ。

 降車後は、背もたれを押すことでシートは車内に戻るから、操作はそれほど面倒ではなく、非ターンチルトシート装着車よりスピーディな乗降が可能になる。オプション価格は税込みで8万8000円だが、福祉車両まではいらない、しかし足腰に不安のある高齢者には願ったり、叶ったりのコンパクトカーに仕立てられるのだ。

 ただ、ヤリスの低めの全高、室内高はそれぞれ1500mm、1190mmで、Aピラーの角度が寝ていることから、背の高い高齢者の場合、頭をかがめる必要があるかも知れない。これは、実際にターンチルトシートを試して、無理な乗降姿勢にならないか、チェックしてみたほうがよいだろう。

フィットはふたつの”安心ボタン”を備えている

 一方、足腰は問題なく、しかしできるだけ安心できて、運転がしやすいコンパクトカーに乗っていたい……というなら、ホンダ・フィットを候補に挙げたい。安心という点では、ホンダコネクトに注目だ。

 スマホ不要の専用車載通信モジュールに加え、ホンダアクセスが用意する9インチナビゲーションを装備することで、前席頭上に、エアバッグ展開時には自動通報、任意でも体調不良、あおり運転被害時などに通報できる赤いSOSボタンと、普段から使える青いトラブルサポートボタンのふたつが備わっている。

 前席頭上にそんなふたつの”安心ボタン”を備えているクルマなど、ほぼないに等しく、高齢者でも(もちろん家族も)絶大なる安心感とともにドライブを楽しむことができるというわけだ。

 しかも、斜め前方視界をまったくジャマしない(その存在に気づきにくいほどの)極細Aピラーによるロマンスカー(新宿〜箱根をつなぐ小田急電鉄の特急列車)最前列のようなパノラマ視界は、まさにクルマらしからぬ新鮮な運転感覚をもたらしてくれるとともに、抜群の運転視界の良さ、運転のしやすさを実現している(全方向ともに視界はいい)。

 全高、室内高が1515mm、1260mmと、コンパクトカーとしては高めで余裕があり、一般的なドライバーズシートながら、乗り降りのしやすさは、コンパクトハッチバックタイプのクルマとしては文句なしと言っていいだろう。

コンパクトカー最大級の後席居住空間も備えているフィット

 このフィットは歴代同様、世界のコンパクトカー最大級の後席居住空間も備えている。よって、高齢者のお仲間を誘っての後席乗車による老人会ドライブ!? も、乗降性・居住性を含め、らくらく快適にこなしてくれる実力の持ち主でもあるのだ。

 この点では、前席優先パッケージで、後席がそれほど広くない、1~2名乗車に適するヤリスをリードするポイントになる。

 そして、個人的に、高齢者に向けてフィットを推す理由が、電子パーキングブレーキとともに備わるオートブレーキホールド機能の装備である。高齢者が渋滞、頻繁な信号待ちで、ブレーキをギュッと踏み続けるのは、結構な筋力が必要だ。

 結果、右足が疲れ、もしかしたらそのうち筋肉痛に見舞われ、シビれてきてしまうかも知れない(これはブレーキが踏めなくなる可能性があり、極めて危ない)。が、オートブレーキホールド機能をONにしておけば、ブレーキペダルを踏まなくてもブレーキ機能が保持され、疲れない。高齢者でなくてもありがたみを感じること間違いなしの機能なのである。

 もちろん、運転には支障がないものの、足腰に自信がなく、一般的な運転席への乗り降りが大変……というなら、ヤリスのターンチルトシート装着車を検討すべきだろう。

 その場合は、くどいようだが、お店に装着車を用意してもらうなどして、実際にターンチルトシートを試し、ターンチルト操作、乗り降りが無理なく行えることを確認してから注文、購入すると安心だ(ターンチルトシートは助手席にも別途、税込み9万200円で装着できる)。

モバイルバージョンを終了