【スバルR1】軽の枠を超えた美しいデザイン! スバル最後のマイクロスペシャリティ
中古価格:(i/R)20万~60万円(S)65万~140万円(流通台数/中)
2000年代中盤は当時の軽自動車やコンパクトカーで主流だったハイトワゴンスタイルに変わるニュースタンダードを模索していた時期。その当時スバルからデビューしたのがR2、そしてR1だ。
R1のベースとなったR2は4人がしっかり乗れる居住性、走行性能はライバルと同等上。なにより、当時の軽自動車の中では最もスタイリッシュなフォルムが魅力。そのスペシャリティモデルとして開発されたR1はフロントフェイスこそR2と共通だが、全長を3285mmまで切り詰め、居住性と引き換えに軽自動車の枠を超えた美しいワンモーションフォルムを手に入れている。
また、内装も上質なプラスチックパネルとメタリック調パネルを使い、カラーは落ち着きのある赤と黒のツートーン。さらにオプションで本革シートが選べるなど、しっかりコストが掛けられており、運転席に座ったときの満足度は高かった。生産終了から10年以上経過するが、今見ても質感は高く、スタイリングに古臭さを感じさせない。
中古車市場だがRグレード以下は30万円以下で手に入れることができるが、スーパーチャージャー仕様のSグレードは現在も70万円以上と高値をキープ(ともに走行距離5万㎞以下の場合)。特に最終限定車であるプレミアムブラックリミテッドは新車価格に迫る150万円前後の個体も存在するなど、熱狂的なスバルファンを中心に、ほれ込んでいる人は今だ少なくない。
【スズキ・X90】浮かれバブルの最後に誕生! 超奇抜なTバールーフ&2シーターSUV
中古価格:80万~120万円(流通台数/極小)
前に紹介したツインもそうだが、堅実な作りがモットーであるはずのスズキはときに突拍子もないクルマを発売して世間を驚かせることがある。中でも飛び抜けていたのが1995年に登場したX90。1993年の東京モーターショーに参考出品され、国内外で高い評価を得たのがすべての始まり。それに気を良くしたスズキ開発陣が市販化を決断したことを含めて、X90の登場は浮かれバブルの残り香が生んだ事件(?)だった。
ボディは1991年に発売されたマイクロKスポーツであるカプチーノに通ずる丸みのあるフォルムで、2シーター&Tバールーフを標準化したところまで似通っていた。そんな未来感溢れるボディを、乗用車のカルタスではなく、クロカン四駆である初代エスクード3ドアのラダーフレームシャシーに被せたことで迷車(?)が完成。今となってはその意外性はX90の最大の魅力かもしれないが、販売台数は3年間でわずかに1300台強と散々たる結果に終わった。
そんなX90だが、中古車市場では希少性と際立つ個性が評価されてか、走行距離5万km以下なら新車価格の60%を維持。20年が経過した非実用車としてはリセールバリューもかなりいい。ノーマルで乗るのもいいが、じつはハイリフトが良く似合う。本気で他と違うクルマが欲しい人には最高の1台といえる。