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いまカーオーディオカスタムが再燃! 専門店が語る「売れ筋」に意外な傾向が見えた

オートバックスに聞いた コロナ禍での売れ筋スピーカー5選

 新型コロナ禍は1年以上続いている(2021年3月現在)。現在でも、外出自粛や飲食業などの営業時間短縮、テレワークの推進など、社会では様々な影響がもたらされ、生活や仕事には大きな変化が起っている。だが、一方で、こういった状況だからこそ売れている商品や、より需要が伸びているアイテムなども存在する。

 例えば、クルマのカスタマイズパーツ。大手カー用品量販店チェーンの「オートバックスセブン」によれば、カーオーディオ用品で意外な商品に人気が集まっているという。今まであまりカスタムをしなかったユーザーが、愛車のスピーカー交換や音質向上のためのアイテムを購入する例が増えているというのだ。そこで、ここでは、オートバックスセブンに聞いた、コロナ禍でよく売れているカーオーディオのパーツについて紹介する。

コロナ禍の影響にはどんな傾向があるのか?

 取材したのは、東京都江東区にある「A PIT オートバックス東雲」。広々とした敷地内には豊富な品揃えを誇る売り場はもちろん、ピットやカフェなども備えたオートバックスグループのフラッグシップ店だ。

 話を聞かせてくれたのは、同店でカーライフアドバイザーを担当する清水克美さん。清水さんによると、特にスピーカーでは、今までの売れ筋とは違う商品がよく売れるという。

「従来は、3万円~5万円くらいの価格帯で、音質がいい製品がよく売れていました。そういったお客様は、私共に様々なご質問やご相談をされて、取り付けもご依頼を頂くケースがほとんどでした。

 ところが、コロナ禍の影響が出てからは、1万円以下の比較的リーズナブルな製品をご購入頂くお客様も増えました。取り付けもご自分でやられているようです。恐らく、外出自粛などで自宅時間が長くなったことにより、今までできなかったスピーカーのカスタムを、せっかくならDIYでやってみようといった方が増えたのでしょうね」。

 ちなみに、1万円以下のスピーカーが売れているのは、清水さんいわく、「自分で交換し失敗したことを考えると、リーズナブルな商品の方が諦めもつきやすからでは」とのこと。高価なスピーカーを購入し、いきなりDIYで失敗したら、財布にもかなりの痛手。あくまで仮定だが、恐らくそういった商品を購入するユーザーは、あまりDIYカスタムに慣れていない人も多いのだろう。

コロナ禍で実際に売れているオーディオとは

 では、実際に、どんな商品が売れているのだろうか? 以下に、清水さんからお聞きした売れ筋商品を紹介する。

【カロッツェリア・TS-F1740/TS-F1640】

 パイオニアの「カロッツェリア」ブランドから出ているエントリーモデル。純正スピーカーのサイズが16センチの車種に対応するのが「TS-F1640」、17センチに対応するのが「TS-F1740」だ。

 ウーハーと呼ばれる大きめのスピーカーの中央に、小型のスピーカーであるツィーターが付いたコアキシャルタイプのため、取り付けも簡単。清水さんによると、「形状が異なる複数の自動車メーカーのコネクターに対応するワンタッチ接続アダプターが付いているので、純正スピーカー配線とウーハー部の接続は、ビギナーでも比較的楽にできる」そうだ。また、「ハイレゾ音源」再生に対応するため、低音から超高音域まで情報量豊かな音を余さず描き出すのも特徴だ。

 A PIT オートバックス東雲の店頭価格(税込)は、通常価格がTS-F1740で8138円(メーカー希望小売税込価格8800円)、TS-F1640は7698円(メーカー希望小売税込価格8250円)。現在、どちらも期間限定特価(税込)6578円で販売中だ。

【カロッツェリア・TS-C1730S】

 こちらは、従来からの売れ筋で、今も人気が高い清水さんおすすめのモデル。ウーファーと6.5センチ径のツイーターがセットになった17センチ対応のセパレート2ウェイスピーカーだ。

 ツイーターから中域までも再生するという発想により、クルマでの中域の減衰や乱れを解消する「Open & Smooth」コンセプトを採用。清水さんいわく、「低音域から高音域まで、全音域でホームオーディオ並みにバランスがいい」のが魅力だ。

 しかも、比較的手を出しやすい価格もいい。A PIT オートバックス東雲の店頭価格(税込)は3万2998円(メーカー希望小売税込価格3万5200円)だ。

【オーディオテクニカ・サウンドチューニングキット】

 先述したTS-F1740やTS-F1640といったリーズナブルなスピーカーと一緒に購入されることが多いのが、デッドニング用品だという。デッドニングとは、車体の鉄板部分やプラスティックパーツなどに制振材や吸音材などを張り付けることで、車内の音質を向上させる作業のこと。DIYで個人が作業する場合は、まずドア内側の縁や穴などにデッドニング素材を張り付けることが一般的だ。

 A PIT オートバックス東雲で今最も売れ筋のデッドニング用品は、オーディオテクニカが発売する「AquieT(アクワイエ)」シリーズのサウンドチューニングキット「AT-AQ473」だ。店頭価格(税込)で3298円(メーカー希望小売税込価格4400円)というお手頃なプライスもあり、清水さんいわく「TS-F1740やTS-F1640といった、リーズナブルな価格のスピーカーと一緒に購入される方も多いですね」という。

 キット内容は、アブソーバーウェーブ(吸音材)と、スピーカーやインナーパネル、ドアトリムクリップなどに張るサウンドプルーフィングウェーブ(防音材)を、ドア2枚分用意。これらにより、不要音を吸収し、音漏れやビビりを抑制することができる。また、強力な粘着剤も付いているため、長期間の使用も実現している。

【オーディオテクニカ・ドアチューニングキット】

 デッドニング用品では、同じくオーディオテクニカのドアチューニングキットも人気だ。

 清水さんのおすすめは、まず「AT-AQ407」。これは、モジュールパネル車のドアチューニングに必要な素材を取り揃えた、専門工具不要の制振材・吸音材・防音材・遮音材キットだ。ちなみに、モジュールパネル車とは、マツダ車や日産車、欧州車などで採用されている、サービスホールがドアパネルに覆われている車種のこと。

 キットには、バイブレーションコントローラー(制振材)やサウンドプルーフィングウェーブ(防音材)が各3タイプ、アブソーバーウェーブ(吸音材)、ノイズレスラグ(遮音材)を同梱。これらにより、スピーカーからの不要な音の反射を抑え、外来ノイズを低減させるなどの効果を実現できる。A PIT オートバックス東雲の店頭価格(税込)は1万998円(メーカー希望小売税込価格1万3200円)だ。

 また、ドアパネルにサービスホールがある車種では、「AT-AQ405」が売れ筋だ。こちらも、専門工具が不要なお手軽キットで、バイブレーションコントローラー(制振材)が4タイプ、サウンドプルーフィングウェーブ(防音材)が3タイプ、アブソーバーウェーブ(吸音材)などを用意する。

 これらにより、インナーパネルやスピーカー、ドアトリムクリップなどの制振や防音が可能。接着材やドアトリム外しからブチルシート施工にも使用可能な2ウェイ仕様の専門へらも同梱されている。A PIT オートバックス東雲の店頭価格(税込)は1万3198円(メーカー希望小売税込価格1万6500円)だ。

問い合わせ急増のグッズにはWi-Fiものがあった

【カロッツェリア・車載用Wi-FiルーターDCT-WR100D】

 最後は番外編。最近デリバリーが開始されたばかりだが、以前から多くのユーザーが注目しているアイテムが、カロッツェリアの車載用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」だ。

 これは、車内向けインターネット接続サービス「docomo in Car Connect」の高速なLTEデータ通信を定額で制限なく使用できるのが魅力。ネットワーク機能を備えたカーナビゲーションなどの車載機器やスマートフォン、タブレット端末、ゲーム機器、ストリーミングメディアプレーヤーなどを同時に最大5台までWi-Fi接続でき、動画・音楽などのストリーミング再生やオンラインゲームなどのコンテンツを車内で快適に楽しめる。

 この商品は、発売自体は2020年12月だが、コロナ禍などの影響で生産が遅れ、実際に店頭で販売をスタートしたのは2021年3月頃から。清水さんいわく、「電車やバスといった公共交通機関を使うよりも、『密』を避けやすいクルマでの移動が増えたこともあり、昨年末からお客様から多くのお問い合わせを頂いています」という。

 こういったWi-Fiルーターを使うには、通信料も別途必要になるが、docomo in Car Connectが設定する料金体系は、非常にリーズナブルなのも魅力だという。ニーズに合わせた3プランが用意されていて、毎日クルマを使うユーザー向けの「365日プラン」が1万2000円(税別)、旅行や帰省中などに最適な「30日プラン」が1500円(税別)、日帰り旅行などちょっとした外出にいい「1日プラン」が500円(税別)となっている。

 清水さんによると、「ポケットWi-Fiを使うより通信料が安くなる場合も多い」ということで、ユーザーから注目されているそうだ。なお、Wi-Fiルーター本体のA PIT オートバックス東雲の店頭及びメーカー希望小売価格(税込)は2万7500円だ。

 ちなみに、A PIT オートバックス東雲では、様々なスピーカーの音質が確認できる視聴室を用意している。

 清水さんのお話では、「せっかくスピーカーを交換するのであれば、まずは視聴されるのが一番ですね。どんなスピーカーが好みに合っているのかとか、ご購入を検討されているスピーカーのサウンドが本当に納得できるものなのかなど、事前に聴けばイメージしやすいですからね」という。同店でスピーカーを購入する際は、ぜひ利用してみることをおすすめする。

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