現地に着いてからの一連の流れを紹介
はじめてのオートキャンプでは、いったい何からとりかかればいいのかよくわからない。家族みんなが不安になるとせっかくのキャンプがイヤな思い出になってしまうので、順を追ってシミュレーションしておこう。予定をたててもそのとおりに進むことはまずないが、チェックインの後は何をするのかを知っておくだけで、心に余裕が出て家族をリードできる。
余裕をもってチェックイン
何はなくともキャンプ場に着いたら、管理棟でチェックイン。ホテルのチェックイン同様、予約している旨を伝えて手続きを行う。
【事前に確認ポイント】
支払いは現金だけの場合も多いので、カードやQRコード決済を使用したい場合は、予約時に聞いておこう。
徐行しながら場内を移動
小さな子やペットが飛び出してくるかもしれないし、キャンプサイトの近くで土埃がまうと嫌なもの。クルマでの移動は徐行が鉄則だ。
フリーサイトの場所選び
区画サイトであれば指定された場所にいけばいいが、フリーサイトの場合は自分で場所を決めることになる。なるべく平らで夏は木陰、冬は日当たりのいい場所を選びたい。炊事場やトイレなど共同施設のそばは小さい子がいると便利だが、人の往来が多いので落ち着かないかもしれない。
また木の近くは樹液や松脂、木の実が落ちてくることがある。樹液や松脂がテントやクルマに付着すると落とすのが大変だが、仕方がない。家族、若者のグループ、ソロ、ソロ同士の集まりなど、いろいろなスタイルのキャンパーがいるが、それぞれに生活リズムが異なるためそこも考慮が必用だ。
顔見知りの人数が増えるほど時間を忘れて夜ふかししやすい。そのため早寝・早起きなら若者のグループやソロキャンパーが集まっている場所から少し離れるほうがお互い気持ちよくすごせる。
他に駐車スペースが決まっていないフリーサイトの場合、自分のクルマが出やすいか、他のクルマの通り道がふさがっていないかも確認しておこう。
キャンプサイトをつくる
場所が決まったらテントとタープをたてて、キャンプサイトを設営。持っていく道具の量によるが、はじめてのキャンプならすべてを整えるまでに1.5時間ほどみておきたい。ワークショップなどの予約をいれるなら、途中で放り出さないよう2時間後にしておくと安心。
【事前に確認ポイント】
近くにデイキャンプができる施設があるなら、一度テントとタープ、バーナーを出して練習をしておきたい。万一、不良品がだった場合は交換してもらい、予約日に間に合わないようならレンタルの手配を。
雨の日は最初にタープをたてておくと、濡れない場所ができるので作業がはかどる。調理にも、いざというときの消火にも役立つのでジャグへの水くみは最初にしておきたいところ。サイト内で分別できるよう、ゴミ袋の準備も忘れずに。
明るいうちに夜の準備
はじめてのキャンプで不安なことは、ランタンとバーナーの使い方と焚き火だろう。日が落ちて寒くなってからでは焦っていまくいかず、時間だけが過ぎていく。明るいうちにバーナーとランタンの燃料を取り付け、ランタンの場合はマントルの空焼きまでやっておこう。買ってきたばかりの場合、バッテリーランタンに乾電池が付属していないことも。自宅で確認するのがベストだが、キャンプ場で箱を開けるなら早めに確認。
【事前に確認ポイント】
乾電池やライター、ランタンとバーナーの燃料、ランタンのマントルが十分か確認。とくに乾電池とマントルは種類が豊富でキャンプ場の売店にはない場合もある。薪や焚付の準備も明るいうちに。鉈で小薪を作って、あとは薪をいれて火を付けるだけというところまで用意しておこう。
水をくんで夕食の準備
炊飯に必要な時間は、吸水20〜40分+火にかけるのは約15分+蒸らし15分。炭火でBBQをする場合、火がつくのはすぐでも、調理向きの熾になるまで時間がかかる。天候や炭の量、状態に左右されるが、着火から20〜30分ほどかかる。
そのためだろう、キャンプ場を見回すと、5時すぎからぼちぼち準備をはじめ、6時30分ごろから夕食をはじめるキャンパーが多い。
普段の食事が8時であれば、6時30分や7時の夕食は早すぎるように思えるが、キャンプ場は9〜10時が消灯。それまでに汚れた食器と鍋を洗うか、せめて水に漬けて車内にいれておきたい。片付けを終わらせたいので7時30分には食事をはじめておきたいところだ。
焚き火の消火と食材の片付け
寝るまでの焚き火時間はキャンプの楽しみのひとつ。いつから焚き火をはじめてもいいが、困るのは消火のタイミングだ。薪1束で燃える時間は、広葉樹は3〜4時間、針葉樹なら1〜2時間が目安。消灯時間の1時間前になったら薪をくべるのを止めて消火に備えたい。火消し壺に入れるなどして確実に火を消してから就寝だ。野生動物に荒らされないよう、食材と洗い忘れた食器・鍋は車内に保管。
翌朝の撤収は余裕をもって
自分たちのペースで起きればいいが、撤収に慣れていないと時間がかかる。設営時間と同じだけの時間が必要だし、あれがない、これがないと探す時間がかかるのでゆとりをもって撤収の準備をはじめよう。キャンプ場の場合、朝6時ごろから活動している人が多いけれど、当然、まだ眠っている人もいる。ドアの開閉や大声での会話は控えめに。
【事前に確認ポイント】
雨の日は、そのまま荷物を積み込むと車内が泥まみれ。ビニール袋や雑巾も持っていこう。
チェックアウト
キャンプ場にゴミを捨てられる場合は、キャンプ場のルールに従って分別。ゴミ持ち帰りの場合は、近くのコンビニのゴミ箱に捨てず自宅まで持ち帰ろう。また、チェックアウトの仕方はキャンプ場によって異なる。
コロナ対策であいさつなしでチェックアウトできるところもあれば、プレートなどを返却しなくてはならない場合も。このあたりはチェックイン時や空いている時間に確認しておこう。