エンブレムチューン/ステッカーチューン
現在はあまり見なくなったが、ひと昔前はエンブレムチューンが流行した。交換できるアルミホイール以外はグレードによって見た目に差異がない車種であるのがポイントだった。
1980年代はメルセデス・ベンツやクラウン、ハイソカーブームのマークII3兄弟などが中心で、上級グレードのエンブレムを廉価版に貼るものが中心だったが、バブル期にはトヨタやニッサンエンブレムを海外仕様の高級ブランドであるレクサスやインフィニティ、アキュラなどへのエンブレム変更が主流となった。いずれも上昇志向の強いクルマに多く見られ、大衆車やスポーツカーには少なかったと記憶している。
ステッカーチューンは自分の装着しているパーツや贔屓のメーカー、お気に入りのショップのものをボディに貼り、個性を出すカスタム。これはレーシングカーのボディにデザインされるスポンサーステッカーを模したもので、貼るだけでなんとなくレーシーにイメチェンできるから不思議だ。
昔は前後バンパー、リヤウインドウやボンネットに貼ることが多かったけれど、最近はドアやフェンダーにキレイに貼るのが主流。これは、ボディの下側に貼れば車高が低く見え、フェンダーに貼るとボリュームがあるように見える視覚効果的な演出かもしれない。
ステッカーチューンの究極がレーシングマシンを模したレプリカやチックチューン(死語?)。もちろん、速くなることはないが、ここまでやれば気分はまさにレーシングドライバー。目立つし、クルマへの愛着も高まるはずだ。
GTウイング/カナード
ステッカーチューン同様、レーシングカーからの直系アイテム。超高速でサーキットを周回するレーシングカーならばGTウイングならリアに、カナードならフロントに強烈なダウンフォースを発生。クルマの姿勢を安定させ、トラクション性能を向上させる効果がある。互いのバランスを取ることで、さらにコーナーリングスピードを高めることが可能だ。
ただ、GTウイングもカナードも日常使いで法定速度を守る限り、空力の効果は少なく、逆に付加物として抵抗になる。ハッキリ言えば、公道ではレーシングカーのイメージをストリートに盛り込んだドレスアップでしかない。また、GTウイングの場合、レーシングカーはより高い効果を得るために、ほとんどがボディ幅より大きくはみ出している。
ビジュアル的にはかなりカッコいいが、ストリートでは保安基準をクリアできない。合法に使いたいなら、ウイング部の最側端がボディのもっとも外側から165mm以上内に収まること、溶接やボルト&ナットなどで、確実・強固に取り付けられていることなど、細かい規定があるので、装着するならば目を通しておくべきだ。
カナードも同様で車検対応品は柔らかい材質で、車体の突き出し量や先端部分の形状に左右されるので安心して公道で乗りたいなら商品選びは重要となる。