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ナンチャッテでも楽しければアリ! 迫力だけなら誰にも負けない「見た目命」の「ビジュアル系」カスタム6選

低コストでできるモノもある愛車のドレスアップ術

 カスタマイズの楽しみ方は十人十色。コンテストでグランプリを獲得したいマジ派も、気軽にカスタムを楽しみたいお手軽派ともにカッコよく見せるためにもっとも必要なのはセンスと創意工夫。お金をかければクールに仕上がるかといえば、決してそうではない。今回は「予算は抑えつつ、見栄もはれる」ビジュアル系カスタムをいくつか紹介しよう!

超シャコタン&ツライチ(ツラウチ)

 手軽にカッコよく見せるには車高を下げて、タイヤをギリギリまで外に出す「シャコタン&ツライチ」はカスタㇺの基本。ローフォルムにタイヤとフェンダーの隙間が少ないスタイルはそれだけでレーシーだし、車高が低ければ重心が下がり、重心が低くなればクルマの姿勢は安定。

 さらにロールモーメントが減るので、加・減速・コーナリング時の荷重移動量が少なくなり、動きが俊敏になる。タイヤを外に出せば、トレッドが広がってコーナーリング時により踏ん張る(サスを固めた場合)ようになり、旋回速度が高まるなると、シャコタン&ツライチは曲がる性能を高める間違いのないチューニングなのだ。

 ならば、「ギリギリまで車高を落とせば見た目も走りも良くなって一石二鳥じゃないか」となりそうだが、足まわりはダンパーやアームなどさまざまな部品で構成されているので、単にスプリングで限界まで落とせばOKとはならない。車高を低くしすぎるとダンパーのストローク量が減り、アーム類の位置や角度も変化。最悪はロアアームが「バンザイ」した状態となり、サスの動きを抑制する。

 また、インナーフェンダーとタイヤのクリアランスも少なくなるため、互いが接地しないように、スプリングレートを硬くする傾向にある。こうなると、乗り心地は悪くなり、ギャップなどで跳ね、トラクションやグリップ力の低下を招く。それを矯正するために低車高に合わせたダンパーやショート寸のアーム類やアダプターなどが用意されるが、それでも限界はあるのだ。

 一方のトレッドの拡大は、わだち等でハンドルが取られやすくなることがデメリット。また、ワイドトレッドスペーサーを使ったツライチ化は強度が不十分な商品もあるので選択は慎重になる必要がある。さらに、重量物が加わることでバネ下重量が増え、純正のハブボルトに負担が掛かる。最悪は事故につながる可能性もあるので、予算が許すなら最適なインセットのアルミホイールに交換することをオススメする。

 トータルすると車高下げて、トレッドを広げるカスタムは基本的に下げれば下げるほど、広げれば広げるほど、乗りづらくなる傾向にある。ただ、デメリットが出るくらい下げるのがカッコいい、と考えるなら問題なしだが……。

カーボン調ラッピング

 軽くて強度のあるカーボン素材は軽量パーツの代名詞。重心高の低減、前後重量配分の低減などクルマの運動性を高めるメリットがある。もともとはレーシングカーに使われていたことから、本物志向のユーザーからじわじわと人気が拡散。装着するだけでスポーティかつリッチなイメージを演出できるので、現在はサーキット派からドレスアップ派まで支持されている。

 カスタマイズ市場で人気の高いカーボンパーツだが、ネックとなっているはその価格。FRP樹脂に炭素繊維を貼り付けたウェットカーボンで同形状のFRPパーツと比較すると約1.5倍~4倍(カーボン繊維を張り付ける量によって異なる)で、ほぼ炭素繊維のドライカーボンに至っては約10倍~となり、おいそれと手に入れられるモノではない。

 それでも、あの独特の織目を愛車に加えたいユーザーにお勧めしたいのがカーボン調ラッピング。「本物に比べると柄や風合いは見劣りするから、ひと目で偽物とバレるでしょ?」という声が聞こえそうだが、それは昔の話。現在のフィルムの進化はすさまじく、本物のカーボンと比べても遜色のないどころか、こっちが本物じゃないか、と見間違えるクオリティの高い商品も登場している。

 耐久年数も3~5年と長く、飽きたら元に戻せるのも衣替え好きなカスタム派にはうってつけ。また、ボンネットやトランクを社外品に交換したら、置き場所の問題で売ってしまうとあとあと困る可能性もあるが、それもラッピングならクリア、というわけだ。価格はアルファードクラスのボンネットで5万円(ハイグロスカーボンの目安)と少々高めだが、クオリティを求めれば高くなるのはどの商品も同じ。

ビッグキャリパーカバー

 タイヤ/ホイールに続く、足元のドレスアップ&性能向上アイテムといえばブレーキキャリパー&ローターがその筆頭。制動力アップはもちろんだが、パッド以上の強化をするユーザーが少ないので、ビジュアル的に「かなり手が入っている」印象を与えられる。さらに今どきのキャリパーは多彩なカラーが用意され、見た目のインパクトも絶大だ。そんな目立ち度抜群のキャリパーキットを組み込みたいが、予算を含めて後回しになっているドレスアップ派の心をくすぐるアイテムが「ブレーキキャリパーカバー」だ。 

 その名のとおり、ブレーキキャリパーの形状を模した大型のカバーで、取り付けも純正キャリパーの上に被せて固定するだけと簡単(装着に多少加工が必要な場合もある)。組み込んでもブレーキの制動力が上がることはないが、ほとんどが1万円以下で手に入ることから一定の人気はある。

 市場に出始めのころはキャリパーの半分を覆うタイプがほとんどで、材質もプラスチック製だった。そのため、遠目で見ると人目を引くものの、近くで見ると残念なモノも多かったが、最新モデルはキャリパーを覆うタイプもあり、アルミ成型モノも登場するなど品質も向上。中にはドラムブレーキをディスク化したように見せるキャリパー&ローターキットも存在するなど、バリエーションは豊富。

 視覚的効果も十分なので、手軽なドレスアップアイテムとして楽しむにはうってつけだ。ただし、既存のブレーキメーカーのロゴが入ったものは商標法違反となる模造品であることが多く、罪にこそならないが、犯罪に加担する行為に触れるので注意が必要。

マフラーカッター

 昔から安価なドレスアップアイテムとして重宝されてきたマフラーカッター。近年はマフラーの音量規制が厳しくなったこと、吸・排気系まで含めてトータルでマネージメントしていることもあり、昔のように社外マフラーに交換しただけで、大きく性能が上がることがなくなった。その流れもあってか、マフラーカッターがメーカーの純正オプションとしても用意され、形状だけでなく、素材、表面処理など含めてバリエーションは増え続けている。

 汎用品はデザインが多彩で、スポーティに見せたり、高級感溢れるものを選んだり、自由自在にテールの印象が変えられるのが魅力。車種専用品はフィッティングも素晴らしく、マフラー交換したようなクオリティに仕上がる点でポイントが高い。

 最近では社外マフラーでも専用のマフラーカッターを何種類か用意し、差し替えて楽しめる設計を盛り込んだメーカーもある。直接的に性能向上は認められず、軽量化やスポーティなサウンドも望めないが、手軽にリアビューの印象を変えられる入門カスタムとしてオススメ!

エンブレムチューン/ステッカーチューン

 現在はあまり見なくなったが、ひと昔前はエンブレムチューンが流行した。交換できるアルミホイール以外はグレードによって見た目に差異がない車種であるのがポイントだった。

 1980年代はメルセデス・ベンツやクラウン、ハイソカーブームのマークII3兄弟などが中心で、上級グレードのエンブレムを廉価版に貼るものが中心だったが、バブル期にはトヨタやニッサンエンブレムを海外仕様の高級ブランドであるレクサスやインフィニティ、アキュラなどへのエンブレム変更が主流となった。いずれも上昇志向の強いクルマに多く見られ、大衆車やスポーツカーには少なかったと記憶している。

 ステッカーチューンは自分の装着しているパーツや贔屓のメーカー、お気に入りのショップのものをボディに貼り、個性を出すカスタム。これはレーシングカーのボディにデザインされるスポンサーステッカーを模したもので、貼るだけでなんとなくレーシーにイメチェンできるから不思議だ。

 昔は前後バンパー、リヤウインドウやボンネットに貼ることが多かったけれど、最近はドアやフェンダーにキレイに貼るのが主流。これは、ボディの下側に貼れば車高が低く見え、フェンダーに貼るとボリュームがあるように見える視覚効果的な演出かもしれない。

 ステッカーチューンの究極がレーシングマシンを模したレプリカやチックチューン(死語?)。もちろん、速くなることはないが、ここまでやれば気分はまさにレーシングドライバー。目立つし、クルマへの愛着も高まるはずだ。

GTウイング/カナード

 ステッカーチューン同様、レーシングカーからの直系アイテム。超高速でサーキットを周回するレーシングカーならばGTウイングならリアに、カナードならフロントに強烈なダウンフォースを発生。クルマの姿勢を安定させ、トラクション性能を向上させる効果がある。互いのバランスを取ることで、さらにコーナーリングスピードを高めることが可能だ。

 ただ、GTウイングもカナードも日常使いで法定速度を守る限り、空力の効果は少なく、逆に付加物として抵抗になる。ハッキリ言えば、公道ではレーシングカーのイメージをストリートに盛り込んだドレスアップでしかない。また、GTウイングの場合、レーシングカーはより高い効果を得るために、ほとんどがボディ幅より大きくはみ出している。

 ビジュアル的にはかなりカッコいいが、ストリートでは保安基準をクリアできない。合法に使いたいなら、ウイング部の最側端がボディのもっとも外側から165mm以上内に収まること、溶接やボルト&ナットなどで、確実・強固に取り付けられていることなど、細かい規定があるので、装着するならば目を通しておくべきだ。

 カナードも同様で車検対応品は柔らかい材質で、車体の突き出し量や先端部分の形状に左右されるので安心して公道で乗りたいなら商品選びは重要となる。

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