普段使いで「ヨンク」を求める人に向けた大衆車が狙い目
本格四駆というと、大型で高価なクロスカントリーSUVを想像するかも知れない。確かに三菱アウトランダーやトヨタ・ランドクルーザーなどは本格的な走破力で世界的に高い評価を得ているものの、決して安くはないし、それなりのガタイだ。
が、200万円~の予算であっても“なんちゃって感”ではない、ずっと本格的な走破性を備えた“ヨンク感”のある乗用車がある。それもそのはず、そうしたクルマたちは雪国や僻地と言っていい場所で仕事、生活をしているユーザーにも使われることを想定し開発され存在しているため、ちょっと大げさに言えば走行中、天候や路面状況によって生死を分けるシーンもあることから、走破性に関して手抜きなどできるハズもない。結果、雪国や周囲が悪路だらけの環境で仕事、生活している人たちに信頼されているのである。
スバル・XV【220万円〜】
その筆頭が、スバルXVだ。その成り立ちはスバル・インプレッサスポーツをSUV化し、最低地上高を本格4WD同様の200mmまで上げた、見た目以上に悪路や雪道にめっぽう強いモデルなのだ。実は、スバルXVには、スバル自慢のシンメトルカルAWDだけでなく、フォレスターにも採用されているXモードという、2モード、ヒルディセントコントロール付きの機能が搭載されている。
Xモードとは、路面状況に応じて2つのモードを選択するだけで、4輪の駆動力やブレーキなどを適切にコントロールし、悪路からのスムーズな脱出を実現してくれるもの。加えて下り坂などで常に一定の車速を維持するヒルディセントコントロールも採用しているのだから万全だ。 以前、真冬のスキー場の特設コースで、片輪雪、片輪雲泥の上り坂をなんなく登れた経験があるのだが、上り終えた後、さらに驚かされたのは、タイヤが標準のサマータイヤだったこと。シンメトルカルAWDとXモードのすごさに感動してしまったほどである。
ダイハツ・ロッキー【170万5000円〜】
トヨタ・ライズとともに人気の兄弟車、ダイハツ・ロッキーも、ライズより本格4WDテイストのあるデザインを纏っているコンパクトSUVと言っていい(顔がライズよりRAV4っぽくないですか?)。 最低地上高はFF/4WDを問わず185mmと本格で、なんちゃってSUVとは一線を画しているのも、アウトドア派にとっては注目ポイントだ。 しかもラゲッジルームの容量はクラス最大級の369L。さらに床下に80Lもの大容量トランクを備えているのだから、アウトドアの荷物もばっちり積み込める使い勝手の良さもあるのが、ロッキー(ライズ)なのである。
しかも、FFではやや硬く感じられる乗り心地も、ダイナミックトルクコントロールによる、悪路、雪道に強い4WDを選択すれば、17インチタイヤ装着グレードでも、約大人1人分の車重増によって、硬めの乗り心地が緩和される傾向にあるから、実はロッキーの4WDはシリーズ中のベストグレードになりうるのだ。