三代で消えてしまったマツダRX-7 いままた急騰!人気の秘密
このところマツダのRX-7、とくに三代目のFD3Sの人気が高まってきている。
マツダのピュアスポーツモデルであるRX-7、ロータリーエンジン車のモータースポーツでの活躍や、人気マンガなどの影響もあり、特定のファンには根強く愛されてきたクルマだが、ここ1年の中古車価格の値上がりぶりはちょっとすごい。そこには何があるのだろうか。
ほぼ20年落ちだが380万円ほどの平均相場
中古車市場での価格は2018年1月から比べると、なんと80%以上の値上がり率となっており、三代目RX-7「FD3S」型の平均相場はいまやざっと380万円。最終モデルの限定車「スピリットR」となると、1千万円クラスの個体も見かけるようになってきた!
正直なところ、程度のいい中古車のタマ数はどんどん減ってきているというのに、なぜこんなに人気が高まってきているのか?
まずは、ここ1年の動きでいうと、RX-7やスポーツカーに限らず、乗用車全体の中古車価格が上がってきていることが言える。コロナ禍でステイホームが続き、クルマに乗る機会が増えたことと、合わせてクルマのことを考えたり、調べたりする時間ができたであろうことが影響していると思われる。
また新型コロナの蔓延仕事やライフスタイルにも影響があり、価値観を見直す人も増え『やれるときに、やりたいことをやっておこう』という気運が高まったこともあるだろう。
そうした中、FDに興味を持っていた人たちが、「FDに乗るなら、いまが最後のチャンスしかない」と考え出した節もある。
復刻パーツ供給も始まり後押し
また昨年、2020年はマツダの創業100周年。「新しいクルマだけではなく、古いクルマをも大切に」「お気に入りのクルマにずっと乗ってもらいたい」という趣旨で、CLASSIC MAZDAという取り組みもはじまり、NAロードスターに続き、RX-7の復刻パーツの供給サービス開始がアナウンスされたのも大きいに違いない。
さらに今年はFD3Sデビュー30周年で、同時にマツダのルマン24時間レース優勝からも30年の記念の年。2年続けてマツダのメモリアルイヤーとなるので、マツダ車への興味関心、注目度が高まるタイミングにもなっている。
他にもボディデザインの美しさが再評価されたり、スカイラインGT-RやNSX、80スープラなど、90年代を代表するスポーツカーがどれも人気上昇気味で、アメリカの25年ルールの影響なども小さくない。
そして「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」といった流れから、「ガソリン車、それも燃費の悪いクルマに乗るならいま!」と考え、FD3Sを求める人が増えたともいえる。
このようにFDの中古車価格高騰の背景にはいろいろな要素が絡まっているが、少なくとも当面高値は続くと思われるので、興味のある人は様子見などしていないで、すぐに決断してしまった方がいいかもしれない。