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油断すると牙を剥く! 一見快適な「春キャンプ」に潜む罠

春のアウトドアは寒暖差に注意 氷点下に下がることも

 ようやく春が訪れ緊急事態宣言も解除、密にならないアウトドアならと春のキャンプを計画しているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。何もかも凍りつく冬とは異なり春のフィールドはやはり暖かく、つい軽装備で出かけてしまいそうですが、春のキャンプには思わぬ落とし穴がありますのでご注意ください。

昼と夜との気温差

 まず昼と夜との気温差が大きいことです。日中は20℃近くまで上がるのに夜間は0℃近くまで下がることも珍しくありません。冬のキャンプなら夜間の暖は想定内ですが、そんなに寒くないだろうと高を括ると手痛い失敗になりがちです。

 あまりに寒いからとガスコンロなどをテント内で使用するのは火災・一酸化中毒の危険もありNGです。 使い捨てカイロ、厚手の毛布、4シーズン用シュラフなど低温対策のほか雨対策として着替えなども準備してください。乾いたソックスはけっこう重要です。

急変する天候に注意を 低気圧の通過で季節外れの降雪も

 春は日本上空の偏西風が強まるため高気圧・低気圧の移動速度が速く「春に3日の晴れなし」と言われます。

 西から低気圧が近づいてくると太平洋から暖機が流れ込み、寒気とぶつかって激しい嵐になることも少なくありません。前線が通過すると北から寒気が入り気温は急降下します。ときには桜の満開宣言後でも降雪することがあり雪に不慣れな東京地方では交通に支障が出ることもあります。

 春のキャンプでは予定日の天候を事前にチェックし、荒れそうならキャンセルすることも想定したほうがいいでしょう。管理事務所があるキャンプ場なら事前に相談することをおすすめします。キャンセル料の有無や予約日の変更など柔軟に対応してくれることもあります。

 いずれにせよ無断キャンセルだけはNGです。またキャンプ地をあまり高山に設定すると天候・気温ともに過酷な状況になりがちです。

春の風、焚き火を断念するのは 風速何メートル?

 キャンプの楽しみのひとつは焚き火ですが、先日も栃木県でハイカーが原因と思われる山火事が起きるなどありましたが、春の山は燃えやすい条件にあることを念頭に置きましょう。

 まず春の空気はたいへん乾いており、ひとたび強風に煽られれば人力で消火することはほぼ不可能なほど延焼します。

 また冬の枯れ草がまだ残っており河原の草地なども燃えやすいです。キャンプする場所などで異なりますので一概には言えませんが、周辺の枯れ草の除去、風向きの確認、消火用水の準備などは必ず行ってください。

林野庁によれば 山火事の多い季節でもある春

 また風が強くなってきたら焚き火の中止を躊躇しないでください。風速3〜5mでは時に2〜3倍の突風が吹くこともあるため、火の粉が飛んで危険を感じたら消火しましょう。

 調理等がまだ残っているのなら炭火やバーナーに切り替える判断が重要です。使用する焚火台にもよりますが厚手のアルミホイルで蓋をすれば少なくとも火の粉が風で舞うことはなくなります。

 エア遮断で徐々に消えますし風がやんで焚き火を再開するときも再点火が容易です。アルミシートが飛ばないようヤカンで重石をしたりクリップで留めるといいでしょう。

 林野庁ホームページ「日本では山火事はどの位発生しているの?」によると、平成27年~令和元年の5年間平均で年間約1万2000件の林野火災が全国で発生しています。これは3件/日にあたります。キャンプの焚き火が原因にならないよう、特に天候が急変する春こそ火の管理に十分に気をつけなければなりません。

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