今年こそ! 障がい者チームでル・マンへ
元ロードレース世界選手権(現Moto GP)ライダーで、1998年シーズン前のテストで転倒し、脊髄を損傷。下半身不随となってしまったことをきっかけに、車いすのレーシングドライバーに転身し、積極的に各種レースへ参戦し、パリダカなどにも挑戦してきた青木拓磨選手。その最も高いところにある目標が、ル・マン24時間レースへの挑戦である。
そのル・マン24時間レース参戦に向け、青木磨選手が2018年から合流している「SRT41チーム」は、チーム代表、ドライバーも身体障がい者で構成されたチームである。フレデリック・ソーセ代表は、人喰いバクテリアによる四肢切断となってしまってからレース活動をスタートさせ、2016年にル・マン24時間レースに出場した経験を持つ。ドライバー陣はベルギー人のナイジェル・ベイリー選手(下半身不随)とフランス人のスヌーシー・ベン・ムーサ選手(左腕切断)、青木選手の3人ので構成されていた。
チームは2019年6月には、ル・マン24時間参戦を目指す多くのチームが参戦する「ロード・トゥ・ルマン(RTLM)」にこのSRT41チームでLMP3マシンで出場し無事に完走。そして2020年はル・マン24時間レース本戦に向けてLMP3マシンでは本戦に出場できないためマシンをLMP2マシンへとスイッチし、準備を進めていた。だが、現在も続くコロナ禍でチームは2020年のル・マン24時間レース参戦を断念。これにより青木拓磨のル・マン挑戦が一時中断されていた。