紆余曲折を経て7ヶ月かけて作った学生たちによる青春の卒業制作
毎年1月に開催され、3日間で約30万人を集めるビッグイベント「東京オートサロン」。その会場内で毎年注目を浴びているのが「日本自動車大学校(以下、NATS)」ブース。学生たちの手により製作されたカスタムカーは奇抜な発想から生まれたモノや、プロのビルダーさながらのオーラを纏ったクルマまでさまざま。そんなカスタム業界の将来を担う若者たちが作る作品を楽しみにして来場する人も多いという。
が、ご存知の通り「コロナ禍」の影響で今年はイベント自体が中止。そこで今回、カスタマイズ科4班の学生たちが製作したZ33フェアレディZベースのショーネーム「S35Z」に目を向けていく。
レトロとモダンの融合をテーマに新・旧のZが持つエッセンスをMIX
2020年9月16日(日本時間)、「The NissanNext.com」にて次期型プロトモデルがお披露目された日産フェアレディZ。それより前からそこかしこで次期型のイメージ図が公開されていたが、「S35Zを卒業制作にする」とカスタマイズ科の4班が決めたのもその頃だったそう。「本家」からの情報がいっさい公開されていなかった6月、「(次期型が)こんなZだったらいいな」というアイデアをメンバーから募りプロジェクトスタート。ちなみにNATSカスタマイズ科の卒業制作は学生が企画を提案し、それに賛同したメンバー集まってチームを作るシステム。今回は9人が合流した。
掲げたテーマは「レトロとモダンの融合」。最新型のZを作るうえで違和感を出さないためには正常進化ベースがベターと判断、そこへ初期モデルのZたちが持つレトロテイストを加えようと「悪魔のZ」ことS30型を彷彿とさせるアイテムを織り交ぜ、雰囲気を作っていくという狙い。
それに見合ったベース車として指名されたのがZ33型だった。