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レビン、パブリカ、エスハチ激走! 実は旧車クラスが激アツの全日本ラリー

日本トップ勢から古兵クラシックカーまでSS力走の全日本ラリー戦

 3月19日〜21日、愛知県新城市にある新城総合公園を中心に、全日本ラリー第2戦・新城ラリー2021が開催された。全日本ラリー選手権第1戦の嬬恋(2月4日~7日)が開催中止となっており、実質的な開幕戦である。

 その内容は、悪天候のため予定されていた全8つのスペシャルステージのうち2つがキャンセルされるという波乱含みの展開に。今季から新たに参戦するGRヤリスやR5車両に注目が集まっていたが、6ステージを争った結果、JN1クラスの新井敏弘/田中直哉組のスバルWRX STIが総合優勝を飾った。

 

クラシックカー熱走のOP3クラス

 そんな全日本ラリー選手権ではJN1からJN6まで排気量、駆動方式により6つのクラスが存在するが、それ以外にオープンクラスというものが存在する。オープンクラスはさらに3つのクラスに分けられており、そのOP3クラスがクラシック部門となっており1988年以前のR、RJ、RF車両がそれに該当する。

 今回の新城ラリー2021では、このOP3クラスに、フォード・エスコート、トヨタ・カローラレビンTE27、ダイハツ・シャレード、ホンダS800、トヨタ・パブリカという5台が参戦した。

 中でも、レビンとシャレードの2台を出場させているのが、東京大学の大学院工学系研究科機械工学専攻・特任研究員の草加浩平氏が率いるプロジェクトである。今回新城ラリーに参戦した2台は、東京大学とホンダテクニカルカレッジ関東の2校が授業として行っているレストア車両なのだ。

 草加教授は、東京大学工学部機械工学科卒業後小松製作所(現:コマツ)に入社。東大在学中から自動車部でラリー参戦を開始し国内外で活躍。コ・ドライバーとして1990年、1991年にはタイトルも獲得している。そして、今大会でTE27に乗る松波 登氏もまた、このレストアラリーカープロジェクトに、2012年シーズンからドライバーとして合流している。本プロジェクトは、学生たちがラリー競技のチーム運営を通じてさまざまな事を学び取ることが目的である。

 松波氏は東海大学工学部動力機械科卒業後、トヨタ自動車のワークスドライバーとして活躍し、歴史的なラリーイベントであるモンテカルロラリーにも出場した経験もある。ともに国内ラリーのパイオニアとして活躍したレジェンドラリースト2名が手を組んでいるということだ。

 興味深いのは、この2人のレジェンドラリーストが、現在はともに電気自動車にも関わっているということ。草加教授は、APEV(日本電気自動車普及協会)の理事である。そして、松波氏は2008年に日本エレクトライクを創立し、電動三輪車の製造に関わっている。電気自動車とラリーの関係について質問すると「現在の電気自動車で本格的なラリー参戦は難しい」というのが両者の意見だった。

 ちなみに、今回の新城ラリーは荒天のためSS6までの結果でこのオープンクラスも競われることとなった。レグ1(初日)のはトップは#73エスコートmk1(隅田 修/保阪利幸組)。

 その翌日、雨のレグ2(2日目)のトップは#74東大×ホンダ学園  レビンTE27(松波 登/毛受広子組)だったものの、レグ1で1分46秒近く引き離されており、トータルではエスコートがクラス優勝。3位には同じ東大×ホンダ学園のシャレードが入っている。

 

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