道具積載時に避けるべき基本の項目
出発時には落ち着いて積み込むけれど、チェックアウト時間が迫っていたり、悪天候で慌ててキャンプ場を後にするようなときはクルマのラゲッジがごちゃごちゃになってしまうことがある。キャンプ場にモノを忘れてしまいかねないし、乱雑な積載では運転に集中できない。撤収時にかぎらず、避けたい項目を挙げていこう。
【ダメな例その1】天井いっぱいまで荷物を積む
天井付近まで荷物を積み込んでいても後方確認はサイドミラーでできるが、後方の道路状況が見えないのは不安。また、スマートミラーやモニターがなければ、リアゲートミラーが付いていても確認できない。
車検証を見ても、乗用車には最大積載量が記載されていないが、日産のWEBサイトによると「乗車人数×(55kg+荷物10kg)」を目安にしているそう。これを大きく超えるようなら、パンクや制動距離が伸びるなど危険が増える。
【ダメな例その2】荷物が崩れて急制動、バックドアを開けた途端に飛び出す
小物はボックスにまとめているだろうが、荷物をクルマに積んだ後に忘れ物に気づいて、荷物の上に投げ置くようなことがある。急制動では上に積んだ道具が前に飛び出して危険。無事に自宅に帰ったとしても、バックドアを開けた途端に荷物が転がり落ちて怪我をすることも考えられる。
まれに助手席に荷物を置いている人がいるけれど、荷物の積み方によっては荷物が倒れて運転席の足元に落ちるので注意。
【ダメな例その3】荷物に押されて無理な姿勢になる
荷物が入り切らないときはシートを前にずらしがち。長時間、無理な姿勢をとるのはただ座っているだけでも疲れる。運転席はなおさらで無理な姿勢はストレスがたまり、事故につながる。ちょっと大きめの新しい道具を購入したときは、とくに注意したい。
これらを避けるには、なんでもかんでも道具を持っていくのではなく、本当に必要な道具を選ぶことが一番。収納に多少でもゆとりがあれば、帰り際に慌てて詰め込んでもちゃんと収まるのだから。
急いでいるときはとにかく詰め込むのに必死だが、次のことを意識しておこう。
【チェックポイント1】道具の高さを均一にする
一部だけ高く積むと、山道や急制動で上に積み上げた道具が崩れやすくなる。バーベキューグリルのようにカタチが変わらない大きな道具を置いたら、全体が同じ高さになるようにその他の道具を積んで、荷物から手を離しても崩れないようにしておく。
【チェックポイント2】柔らかいものでカタカタ音対策
チェアなど金属がぶつかるカタカタ音、ストラップが窓に当たる音は小さくても耳障りで運転中に気が散ってしまう。ストラップはまとめ、金属製のものは動かないように着替えなどやわらかいものを詰めて、音がしないようにしておきたい。カタカタ音対策ができれば、同時に荷物の崩れ予防にもなる。
【チェックポイント3】汚れ物や収納箱に入らない小物対策
小物をまとめるボックスに、ギチギチに道具を詰めていくと帰りにうまく入り切らないことがある。はみ出た道具をそのまま隙間に詰めると小さなものは紛失しやすいし、自宅で荷物を取り出すときに転がり落ちて壊すことがある。
【チェックポイント4】クーラーボックスを収納がわりに使おう
行きは重いクーラーボックスも、帰りは食材が減って大きな空間ができる。食器やクッカー、ケトルなど大きくてかさばるキッチンまわりの道具を収納。
【チェックポイント5】隙間にビニール袋を入れよう
なぜか入り切らない小物や積み込んだ後に気づいた忘れ物は、薄手の袋にまとめてから隙間に詰め込んで。水濡れに強い袋なら、汚れ物をまとめて隔離できる。大きめのゴミ袋でもあると重宝する。
撤収時の積み込みでもっとも困るのが雨の日
雨の日はなるべく道具を濡らさないようにするため、順番が大切。サッとでいいので水分と汚れを拭き取りながら、キッチンまわりの大物とチェアをラゲッジに置き、その他小物を片付けて隙間がないよう詰め込む。最後になるのはテントとタープ、テーブルだ。
上のほうは濡れても気にならないもの
雨の中、きちんとテントとタープをたたむのは大変。テントとともにシートにくるむか大きなビニール袋に入れて荷物の上に置くわけだが、そのままだと袋やシートから水が染み出すことも。
着替えや寝袋、布・レザー張りの箱に水滴が当たると染みになることもあるので、積み込んだ道具の上にテントを載せる前に、ビニールシートを被せておこう。シートがないならテーブルをよく拭いてから載せ、テーブルからはみ出るところは樹脂製のボックスが上になるようにしておくと、テントから染みた水がかかっても気にならないものにしておくとずいぶん被害を抑えられる。
長靴・レインウエア・ペグの置き場所
撤収が終わったら、残ったのはドロドロのペグと長靴、ぐっしょり濡れたレインウエア。長靴やペグに付着した泥は、レインウエアやほかの道具に触れると泥汚れがうつってやっかいだ。どちらも余裕があればサッと拭って折りたたみバケツやビニール袋へ。レインウエアと、長靴&ペグはわけて収納し、二列目シートの足元など転がり落ちない場所に置く。
安全に帰宅するためにも、キャンプの撤収は余裕をもって取り掛かろう。