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デミオからポルシェまで混走のごった煮バトル! カオス過ぎるスーパー耐久

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 佐藤正勝

スーパー耐久2021年シーズン開幕! 今季の見どころ&出場マシンを紹介

 国内で戦われているメジャーレースシリーズのトップを切って、3月20~21日に栃木県のツインリンクもてぎにおいてスーパー耐久(S耐)が開幕した。  今シーズンからワンメイクタイヤの供給元がハンコック・タイヤへと変更され、シリーズ正式名称も「スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook」を名乗ることになった。コントロールタイヤがハンコックに変わったことに加えて、新たなクラスが創設されたことも今シーズンの大きな特徴となっている。それがST-Q Classで、昨年までの8クラス(ST-X、ST-Z、ST-TCR、そしてST-1~ST-5)に加えて、今シーズンは全9クラスが設けられている。

市販車に近い仕様で細かくクラス分け

 そもそもS耐はプレシーズンとして1990年から開催され、1991年に本格的に始まったN1耐久シリーズが源流となっている。当時はグループNとして公認されたツーリングカーによる耐久レースで、クルマの改造(チューニング)の範囲も極めて厳しかった。その流れを汲んでいるのがST-1~ST-5クラスで、排気量や駆動方式によって5つに分けられている。その他に、スーパーGTのGT300クラスでもお馴染みとなったFIA GT3車両によるST-Xクラスやその弟分となるGT4規格の車両によるST-Zクラス、GT3のツーリングカー版と形容されるTCR規格の車両によるST-TCRの3クラスが追加された。さらに今年から「STO(スーパー耐久機構)が参加を認めたメーカー開発車両、または各クラスに該当しない車両」によるST-Qクラスが追加された。開幕戦のもてぎに参戦したST-Qクラスは、唯一年間エントリーされていたROOKIE RacingのGR SUPRAのみ。このクルマは昨年、ST-1クラスに参戦しいていたもので、GT4規格車両の先行開発車とも言われている。実際、市販されて開幕戦に顔を見せた3台のGT4仕様GR SUPRAとは、ボンネットや空力部品などが異なっていたようだ。

クラス混走でいつでもデッドヒート!

 このように9クラスの競技車両が混走することからS耐は、レース中のパッシングが最も多いレースとなっている。ST-2クラスやST-3クラスの車両がデッドヒートを繰り返しながら、ST-5クラスのフィットやデミオがドッグファイトを展開しているのを抜いていく際に、さらにその後方から最速クラスであるST-Xの車輌が抜いていく、というシーンも茶飯事。何せツインリンクもてぎを例にするなら、ST-XとST-5のクラス間ではラップタイム差が30秒近くもあるのだから、そんな展開も十分に理解できるだろう。そしてその緊迫感に満ちた迫力が、一番の魅力とされている。また、走っている競技車両の多くが、街中で見かけることの多いクルマであることも魅力の一つで、自分の愛車と同じクルマがサーキットで戦っていたら応援したくなるのは必然。またドレスアップ/カスタマイジングのヒントになるとの声も聞かれる。
 先週末に、もてぎで行われた開幕戦は、決勝が悪天候に見舞われてセーフティカーが何度も導入された。そして赤旗提示による中断からそのまま終了となるなど荒れた展開に終始。新たに採用されたハンコックタイヤのパフォーマンスや、ST-QクラスのGR SUPRAの動向など、興味深いテーマについては第2戦以降に持ち越しとなった。

◎スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook今後のスケジュール

第2戦:4/17(土)~18(日):スポーツランドSUGO(3h×2レース)
公式テスト:4/28(水):富士スピードウェイ ※夜間走行あり
第3戦:5/21(金)~23(日):富士スピードウェイ(24h×1レース)
第4戦:7/31(土)~8/1(日):オートポリス (5h×1レース)
第5戦:9/18(土)~19(日):鈴鹿サーキット (5h×1レース)
第6戦:11/13(土)~14(日):岡山国際サーキット(3h×2レース)

 

【第1戦ツインリンクもてぎの決勝結果はこちら】

https://supertaikyu.com/race_result/

 

 

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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