Sクラス同等の先進安全機能を搭載する「メルセデス・ベンツAクラス」
次に紹介するのが、メルセデス・ベンツのAクラスである。その売りは、コンパクトカーであってもメルセデス・ベンツ品質を提供してくれるだけではなく、何と、最上級のSクラス同等の先進運転支援システムを「レーダーセーフティパッケージ」として用意していること。飛び出し検知機能付きの歩行者対応のアクティブブレーキアシスト、高齢者がついうっかり事故を起こしてしまいがちな渋滞時の緊急ブレーキ、歩行者との衝突をステアリング操作で回避する緊急回避補助システム、障害物に向かって突っ込んでしまった際に作動し、車速を2km/h以下に抑えるドライブアウェイアシストなど、まさに先進の運転支援システムが満載だ。万一、高齢者ドライバーが意識を失った(寝ている)ような時には、自動で穏やかに速度を落として停止する、自動運転車ごとくのアクティブエマージェンシーアシストも装備されているのである。この機能ばかりは作動させる機会がないことが理想だが、万一の場合はあるに越したことはないと言える。
さらに音声発話で様々な操作ができるMBUX(ハイ、メルセデスで応答してくれる自然対話式認識機能インフォテイメントシステム)は、高齢者であればこそ使いこなすことによって便利なクルマとの付き合い方が享受できる。また、扱いやすいボディサイズや小まわり性の良さなど、使い勝手も高齢者に適切だ。車幅も1800mm以下と、モニターに頼らずとも、駐車はしやすい。
徹底した安全装備に加えて小柄なボディで値段も手ごろの「VWポロ」も見逃せない
もう1台の高齢者におススメできる輸入車のコンパクトカーは、ここで紹介する中でもっとも小型なVWポロである。
約260万円からの価格は手ごろで、全幅も1750mmと狭い道の走行や駐車も楽々。しかしその品質、走行性能は、想像の中のドイツ車そのもの。さらにVWオールインワンセーフティと呼ばれる先進運転支援機能、基本的な安全性能、そして事故が起きたあとの被害を抑える二次被害防止機能まで徹底しているのである。はっきり言って約260万円からの価格で、これほどまでの安全・安心が手に入るクルマは、走行性能を含めて、そうはない。
筆者の古い知り合いで、某有名自動車専門誌の編集長を務めたあと、自動車ジャーナリストに転身したKさんが、奥様の還暦祝いにプレゼントしたのが、赤いVWポロだった(先代)というエピソードもあるぐらい、歴代のVWポロは信頼できるクルマということだ(日本のコンパクトカーのベンチマークでもあり続けている)。もちろん、VWとしてこれまでにない先進性を備えた新型のゴルフ8が登場すれば、超おススメの1台になることは間違いないだろう。