サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

HATTORI RACING ENTERPRISES、今季初トップ攻防で3位フィニッシュ【2021 NASCARトラックシリーズ 第3戦】

服部茂章代表率いるHREは今季初の上位入賞を果たす

 アメリカでもっとも人気のある自動車レース「NASCAR(ナスカー)」。そのナスカー3大カテゴリー、「カップ」、「Xfinity(エクスフィニティ)」、「Camping World Truck(トラック)」のうちのトラック・シリーズにレギュラー参戦し、2018シーズンのトラック・シリーズのタイトルを獲得したこともあるHATTORI RACING ENTERPRISES (HRE)。ナスカー・チームの中で唯一の日本人オーナーである服部茂章代表率いるHREチームは、今季もゼッケン16を付けたトヨタ・タンドラで参戦している。もちろんタイトル奪回を目指して、だ。

茨城トヨペットからのスポンサードでリヤカバーに「葵の御紋」

 HREチームは開幕のデイトナ2連戦をクラッシュで落としてしまっているが、3戦目となる「Bucked Up 200」では心機一転して臨んだ。

 ドライバーはチームに合流して3年目となるオースティン・ヒル選手。そして今回HRE16号車は、茨城県水戸市に本拠を構える茨城トヨペットからのスポンサードを受け、荷台部分に徳川家の三つ葉葵を背負った「IBARAKI TOYOPET TOYOTA TUNDRA」で挑んだ。

 この第3戦の舞台は、ネバダ州にあるラスベガス・モーター・スピードウェイ。1周1.5マイルの高速インターミディエイトオーバルで、バンク角は20度と強めでアウト側になるほどバンク角が高くなるプログレッシブバンクが採用されているコースだ。レースは134周(201マイル=323.47km)で争うこととなる。

 今回もまた前戦同様に、練習走行から予選セッションまでをカットし、決勝レースのみを行なうフォーマットとなっている。その決勝グリッドは前戦のレース結果からの抽選で、ヒル選手は31番手からのスタートとなった。

毎ピットインごとにポジションアップ

 3月5日(金)、午後6時にスタートとなった200マイルのレースは、スタート直後にクラッシュが発生し、すぐにイエローコーションが出される。HREの16号車は、11列目イン側からこのスタートで一気に24番手までポジションをアップ。さらにそのイエロー明けの7周目のリスタートでもポジションアップし、序盤は着実な走りで18番手まで順位を上げて、3ステージ制の第1ステージをまずは終了。このステージブレイクで給油と4本のタイヤ交換、そして右リヤのセッティング変更を迅速にこなしたことでピット時間を他車よりも短く済ませ、ここでいっきに順位を10番手に上げ、16号車はコースに戻った。

 続く第2ステージは36周目にリスタート。ヒル選手は直ぐに8番手にポジションを上げ、さらに6番手まで順位を上げて60周目の第2ステージ・チェッカーを受ける。このステージブレイクのピットインでもHREスタッフは素早い動きで給油と4本のタイヤ交換と右リヤのセッティング変更。ここでも16号車はポジションを上げて5番手でコース復帰を成功させる。

 そして残る最終ステージ、68周目にグリーンフラッグ。16号車はこのオープニングラップでさらに3番手にアップするが、直ぐに後続のクラッシュによるイエローコーションが提示されるなど波乱の様相を呈してくる。

 チームは90周目に出されたこの日6度目のイエローコーションのタイミングで、給油をすれば残り周回を走り切れると判断しピットインを指示。このイエローコーションではコースにとどまった車両もいたことからポジションは一時9番手に落ちたものの、次のリスタートでもスタートダッシュを決めたヒル選手は4番手にジャンプアップ。しかしその直後にまたしてもイエローコーションが入る。

ラスト7周で僅差のデッドヒートを展開

 この日最後のイエローコーション明けとなった残り7周でのリスタート。16号車は2番手にポジションを上げており、最前列アウト側から優勝に向けてレースをリードするべくプッシュをして行く。しかし、同じタンドラを操るカップカードライバーでもある4号車のジョン・ハンター・ネメチェクにブロックをされ続け、逆に同じくカップカードライバーでもあるカイル・ブッシュのタンドラ51号車にも先行を許す事になり、あと一歩届かず3位でチェッカーを受けることとなった。

 トラック・シリーズ第4戦は、今回と同じ1.5マイルのインターミディエイトオーバルのアトランタ戦。ヒル選手の地元であるアトランタでの戦いは3月20日(土)に開催となる。

モバイルバージョンを終了