普段乗りなら問題なくても、サーキットではNGなアイテムは意外とある
サーキットは大丈夫でも街乗りじゃダメ。そんなアイテムはいくらでも思い付くけど、果たして逆のパターンはあるのだろうか。完全にアウトとは言えないが使い方を間違えると危険なモノや、状況によっては大事故に繋がりかねないケースをいくつか考えてみよう。
【意外なNGアイテムその1】ワイドミラー
まずはインテリアの小物から。視認性が向上するワイドなルームミラーは昔から人気が高く、近年ではバックカメラ付きなどのモデルも増えている。多くの製品は純正ミラーの上に被せて装着するが、サーキットのクラッシュで大きな力が加わったとき、外れて車内を飛び跳ねる可能性があるのだ。そのため走行会では必ず外すよう指示されるケースがほとんど。
【意外なNGアイテムその2】スマホ類を使用した追加メーター
また最近ではOBD2アダプターを活用し、スマホやタブレットを追加メーターとして使う人が増えた。データ取りやセッティングに便利であることは確かだし、見た目もノーマル風に仕上げられてカッコいい。ただし冒頭で書いたルームミラー以上に、クラッシュで外れ「危険物」になりやすいのも事実だ。端末そのものをしっかり取り付けることはもちろん、台座となるパーツも確実に固定できない限り、サーキットで使うのは控えたほうが無難だろう。
【意外なNGアイテムその3】純正ストライカー対応社外ボンネット
軽量化に大きく貢献するFRPやカーボン製のボンネットは、いくら「純正ストライカー対応」と謳っていても、サーキットでは専用のキャッチを使うのがセオリー。ロックが甘かったり軽いが故に隙間から風が入るなど理由はさまざまだけど、走行中にボンネットが開くシーンを目撃したことは一度や二度ではない。ボンネットに加えフロントガラスやルーフにまでダメージが及ぶし、走行中に突如として視界が塞がる恐怖は想像するだに恐ろしい。
【意外なNGアイテムその4】アルミ製ホイールナット
軽量なうえカラーバリエーションも豊富に揃っており、ドレスアップの定番といえるアルミ製のホイールナットもサーキットでは要注意。アルミ合金としては高強度のジュラルミンであっても、スチールに比べればデリケートといわざるを得ず、脱着を繰り返しているうちにネジ山がすり減ってしまう。仮に新品であってもスチール製のハブボルトより、アルミ製のナットのほうが「熱膨張率」が高い。ハードなブレーキングで高温になったせいで緩み、最悪の場合はタイヤが外れてしまう可能性もあるため、軽量かつ強度にも優れたクロモリ製のナットをおすすめする。
【まとめ】わずかな手間を惜しまず安全に留意してスポーツ走行を楽しもう
ただしいずれも「街乗りなら絶対に大丈夫」というわけではない。ルームミラーやスマホ&タブレットは一般道の事故でも、衝撃の強さで外れる危険性は十分にあるので、サーキットと同じレベルで固定したほうが安全だ。ボンネットにしても純正ストライカーとキャッチを併用すればより安全になり、ホイールナットも初めからクロモリを使えば不安は減るし交換サイクルも長くなる。「わずかな手間や出費を惜しんでトラブルを招いてしまった」なんて事態を招かないように注意しつつ、チューニングやドレスアップを楽しんでほしい。