新型登場間近 だからこそ衆目を集める現行フェアレディZ
2020年の夏の終わりに、次期モデルのプロトタイプモデルが公開された日産「フェアレディZ」。先日はSNSなどで市販仕様と目されるスクープ写真も出回ったが、正式に発表されるのは早くても今年秋以降となると思われる。
400psオーバーのV型6気筒3.5Lターボ。つまり「スカイライン400R」に積むものを流用するようだが、400RにはないMTをドッキングするのがホットトピックだ。おそらく、モーターを組み合わせないガソリンエンジンだけの本格スポーツカーは日産として最後のモデルとなるだろう。
さて、そんな新型へのカウントダウンがはじまった今だからこそ、今回はあえて現行モデルの「Z34」に注目。その魅力に迫る。
6代目の現行Z34はロングセラーモデル
デビューは2008年12月。気が付けば12年以上も前である。
まずはクローズドボディが発売され、約2年後となる2009年10月には電動ソフトトップを備えた「ロードスター」も追加。ただし、日本向けのロードスターは2014年9月までの受注を以って生産を終了している。
マニュアルミッションが残る希少なモデル
そんなZ34型フェアレディZ(以下「Z34」)の注目すべきポイントはまず、日産における本格スポーツカーとしては唯一、マニュアルトランスミッション(MT)が選べることだ。
日産を代表するスポーツカーの「GT-R」にはMTがないし、手頃なスポーツカーの「マーチNISMO S」はマニュアルで走りが超絶楽しいのは認めるけれど、やっぱりZとはスポーツカーとしての方向性がかなり異なる。マーチNISMO Sには“後輪駆動”という記号性がないのも残念なところだ。
Z34に組み込まれるギヤボックスは6速で、ベースグレード(397万9800円)、「バージョンS」(484万8800円)、「バージョンST」(519万8600円)、そして「NISMO」(640万9700円)と多くのグレードに設定されている。「バージョンS」に至ってはMT専用グレードなのだからMT好きとしては嬉しい限りだ。
また、ベースグレードの400万円を切る価格は、今となってはリーズナブルといえるプライスタグ。ターボの有無や装備水準が違うとはいえ、同じプラットフォームにV6エンジンを組み合わせるセダンである「スカイライン」のベーシックグレードの価格が435万3800円といえば分かるだろう。比べてみてもZ34は比較的手の届きやすい価格と言えるのだ。