右ハンドル禁止のUAEでGT-Rを走らせるために
単に所有するだけでなくサーキットではないにしても、とにかく走らせることを楽しんでいるようだ。UAEならではのトラブルや問題はないのだろうか?
「R32は日本のチューニングショップ『JUN』で手を加えたRB26DETTを搭載したフルチューン車両。ハコスカはRB30にティプトロニックのトランスミッションを組み合わせた仕様。ケンメリやR34はライトチューンだけど、幸い自分のワークショップを持っているから、どれも自分でメンテナンスできる環境にあるんだ。最近はR32にフルコンピュータの『モーテック』を積んでみたりもしたよ。だから車両のメンテナンスやチューニングに関してはなにも問題はないよ。強いて挙げるなら、基本的には右ハンドル車両の走行ができないというUAEならではの交通法規の問題はあるね。基本的には、と言ったのは輸入後1年間は右ハンドルでも走ることができるから。その猶予期間中に左ハンドルに換装する必要があるんだよ」
確かに写真を見ればわかるように、スルタンさんの車両はR34もR32も左ハンドルとなっていることがわかる。これはUAEの独特のルールと言えるだろう。
早朝5時から2日間に渡る撮影
最後に写真家アレックスさんとの撮影旅行について聞いてみた。
「撮影はちょうどラマダーン(いわゆる断食を行う月)の時期だったよ。撮影には2日間を掛けた。1日目はオムランと一緒に早朝5時にジェベル・ジェイス山に到着するように向かったんだ。2日目はドバイ市内で数時間撮影した。アレックスの写真集の企画に参加できて、本当に楽しかったよ!」
コレクションとして所有するだけでなく、RB26DETTのパワーを楽しみ、Rの走行性能の高さを味わい尽くす。右ハンドルから左ハンドルへの換装という大きな作業を施してまでも乗りたくなるクルマ。スルタンさんを含め、世界に散らばるGT-Rファンの熱量はかなり高いのである。