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「ストラトス」「131アバルト」「037ラリー」! イタリア往年の名門ラリーカーに昂ぶるオートモービルカウンシル2021

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TEXT: AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)  PHOTO: 米澤 徹

フィアット・アバルト 131ラリー

 1974年にフィアット124の後継モデルとして発売された大衆車の131ミラフィオーリをベースに、当時のWRCのグループ4の車両規定(生産台数400台)に対応したラリーマシンとして開発されたのがアバルト131ラリーだった。

 太いタイヤを収めるためのフロントオーバーフェンダーは、フロントスポイラーと一体化。今回、一緒に展示されているランチア・ストラトスにも似ているルーフスポイラーと、ダックテール型のトランクリッドはエアロダイナミクスも突き詰められた最先端のデザインを採用。ベースモデルのミラフィオーリと見比べても明らかに違う。

 ボディはランチア・ストラトスやランボルギーニ・カウンタックのデザインを手掛けていたベルトーネが担当をしていた。エンジンは2L4気筒をフロントに搭載しリヤ駆動で大暴れした。

 世界ラリー選手権への出場は1976年シーズンの途中からで、77年、78年、80年の3度にわたりフィアットにメイクスタイトルをもたらした。アリタリアカラーを纏った展示車は1977年のモンテカルロラリーでジャン-クロード・アンドリュー/“ビシェ”組が2位に導いたマシンそのもの。

ランチア・ラリー 037 エボリューション2

 1982年から始まるGr.Bカテゴリーで争われるラリーが決定すると、ランチアは再び、「パーパスビルドモデル」を製作。同社のベータ・モンテカルロをベースに、機能と美を追究したラリーは、シャーシはダラーラ、開発と製作はアバルト、ボディはピニンファリーナという豪華な陣容だ。開発車両コードには「SE037」が付けられた。マニアから「037ラリー」とも呼ばれる理由は、これに由来している。

 ライバルのアウディ・クワトロはフルタイム4WDを採用したが、ランチアはまったく違うアプローチでラリーに挑んでいた。ターボ全盛期の時代に、あえて2L4気筒に機械式スーパーチャージャーを組み合わせ(アバルトチューン)、ミドシップマウントにしたものだった。

 残念ながら1982年に成績を残すことはできなかったが、翌1983年のモンテカルロラリーを皮切りに5勝を挙げ、アウディとの互角の戦いを見せつけた。

 展示車は、アッティーリョ・ベッテガのドライブでアクロポリスラリー5位入賞を果たした経歴を持つ、ランチア・マルティニ・レーシングの由緒正しきワークスカーの1台。

 テーマ車だけでもお腹がいっぱいになりそうな主催者テーマ展示。もし次に見られる機会があるのなら、その走る姿をひと目見てみたいと誰しも感じるはずだ。

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  • AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)
  • AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)
  • 1991年生まれの秋田県出身。15歳のときに上京し勉学に勤しむも、高校生時代から東京都内をカメラ片手に自転車に乗って、神出鬼没、車屋巡りをする日々を送る。社会人になり、その時に出入りしていた趣味系自動車雑誌の元編集局長に呼ばれ、交通タイムス社に入社、現在に至る。イタリア車が趣味の中核ではあるものの、クルマに関連する本やミニカーを集めまくる根っからの収集癖おさまらず……。古書書籍、ミニカー、これらの山の中で生活を続けている編集者。
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