ツインリンクもてぎフルコースで全開試乗
そんなシビック無限RRをツインリンクもてぎのフルコースで全開走行テストを行なった。
もてぎはいわずと知れたブレーキに過酷なサーキットだ。ここで全開アタックできるクルマは欧州車にも多くはない。シビック無限RRはしかし、絶対的なブレーキの安定性を発揮し、難なく周回をこなした。 エンジンはレブリミットまで気持ちよく吹き上がる。タイプRもいいフィールだが、RRはさらに排気圧損が少なくストレスフリーな吹き上がり。実際の馬力向上値は15ps程度というが回転のピックアップ特性は相当な違いを感じる。
コーナーが迫りハードブレーキをトライしてみると剛性感の高いシャーシはしっかりと4輪を接地させ、強力な制動Gを発した。2〜3コーナー続けて試みれば通常のブレーキなら根を上げるはずだ。しかし無限RRはまったく変化を見せずペダルフィールも良好なまま数ラップを安定してこなしてしまう。
シビック無限RRの真骨頂は「ブレーキ」にあり
だがシビック無限RRの真骨頂はブレーキングポイントにあった。ノーマルより格段に奥深く150mの看板を過ぎてからのブレーキングでも確実に減速しコーナーアプローチが可能だった。しかもそれが数ラップ安定して続けられる。
ブレーキ回りの温度を計測してみるとフロントのブレーキローターが560℃にも達していた。にもかかわらずペダルフィールが変化しないのは耐フェード性に優れたブレーキシステムを与えられている証だ。さらにフロントブレーキディスクは専用の断面構造で作られ効率よく冷却される。その結果ハブキャリアの温度が低くノーマルより130℃も低い。この結果ハブの耐久性も格段に高まっているはずで、サーキット走行など過酷な条件での走行も安定してこなせる設計になっている。
固められたサスペンションはピッチングも押さえ込み、低められた車高と相成って制動時の後輪接地性も向上させている。
旋回時のステアフィールなどノーマルのほうが乗用に適している面もあるが、サーキットのラップタイムで約1秒の向上は実力の高いタイプRがベースなだけにむしろよく実現したといえるだろう。