ル・マン24時間耐久レース総合優勝から30周年
日本のモータースポーツファンにとって、30年前の1991年は、国産マシンによるル・マン24時間制覇という悲願が達成された記念すべき年。その偉業を成し遂げたのは、マツダ スピリッツの結晶・4ローターのR26Bを搭載した787Bだった。
1970年にロータリーの10Aエンジンを搭載したシェヴロンB16・マツダで、ル・マンに初挑戦してから、21年後の栄冠だった。今年のAUTOMOBILE COUNCIL2021では、そのル・マン総合優勝30周年のメモリアルイヤーに、「マツダ、ル・マン優勝への軌跡」の特別展示を企画。マツダのル・マン挑戦で大事な役割を果たした3台をここで振り返ってみよう。
不屈の闘志で走り抜いたサバンナRX-7 254
1台目は1982年のル・マンに参戦したRX-7 254。SA22C(初代RX-7)がベースのIMSA-GTX仕様のマシン。エンジンは300psにチューニングされた13Bロータリー。 のちにジャガーのCカーで、世界の耐久レースを席巻するTWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)とのジョイントで参戦し、82号車(寺田陽次朗/従野孝司/A.モファット組)が決勝14位で完走! もう一台の83号車(T.ウォーキンショウ/P.ラベット/C.ニコルソン)は、一時総合の8番手を走行。 2台ともがギヤボックス・トラブル、燃料系の不調など、多くのトラブルに見舞われた。そのたびにメカニックが不屈の闘志で修復し、最終的に83号車はリタイアしてしまったが、82号車はマツダスピードとして、ルマン24時間初完走となり、この年のベストメカニック賞も受賞している。 ちなみにマツダのRE車、そして日本車として初めてのル・マン完走は、1980年にプライベートチーム「Z&Wエンタープライズ」が走らせたSA22Cでエンジンは12Aだった。
前年の253をベースに空力を見直し、シャーシ剛性をアップ。ドライバーからはハンドリングの良さが評価された。