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「2年待ち」「300万円越え」でオーナー悲鳴! GT-Rの名エンジン「RB26DETT」のシビア過ぎるオーバーホール事情

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TEXT: 増田髙志  PHOTO: GT-Rマガジン編集部

ベース車だけでなくメンテナンスも高額!?

「スカイラインGT-Rが欲しい」と思っても、いまや中古車市場では目玉が飛び出るほどの高額になってしまった。それでも頑張って憧れを手にした結果、その先にはいずれメンテナンスへ資金を費やす必要があることも知っておきたい。心臓部であるRB26DETTエンジンの今どきのオーバーホール事情について改めて考えてみよう。

20万km超乗り続けるオーナーも多い

「一度はR32スカイラインGT-Rに乗っていみたい」と思いを募らせているクルマ好きはとても多い。人々を惹きつける理由はRB26DETTというエンジンに拠るところも非常に大きいだろう。

 まわりのクルマを見渡してほしい。国産車で走行距離が20万km、30万kmになって、わざわざエンジンをオーバーホールしてまで乗り続けようという気持ちにさせるクルマがどれほどあるだろうか。滅多にはお目にかかれない。

走行30万kmを超えるR34スカイラインGT-Rメーターのメーター

 みんな躊躇なく新しいクルマに乗り換えている。しかしスカイラインGT-Rは違う。エンジンが壊れれば直してまでも乗り続けているオーナーばかりなのだ。どのGT-Rもまるで家族の一員のように愛されている。なんとも稀有な存在だ。

 第2世代と呼ばれるGT-R(R32‏‏/R33/R34)の登場は1989年。R32がデビューした。当時のレースカテゴリーであるグループAでの必勝を目標に開発。RB26DETTの2.6ℓという中途半端な排気量もグループAのレギュレーションに対応させるためだ。その後、1995年にはR33にバトンタッチして、’99年にR34が受け継ぐ。そして生産は2002年まで継続された。

日産スカイラインGT-Rのオーナーが集まる風景

2度3度とエンジンに手を入れる強者も多い

 心臓部は多少の仕様変更はあるものの、ずっとRB26DETT。つまりは30年以上も前に作り出されたものをずっと作り続けていた。最終モデルでさえも20年前の登場だ。だから長い月日が経って、各部の劣化は見逃せない。エンジンのオーバーホールも一度のみならず、2度、3度と行われているケースも少なくないのだ。これが第2世代GT-Rの現状なのである。

 オーバーホールの目安はユーザーによってさまざまだが、走行10~15万kmあたりで行うパターンが多い。大切に乗っている方ばかりなのでオーナー自らが距離数を決めていて、不具合が出なくてもその距離に達したら施工する。予防整備という感覚だ。トラブルが出てからエンジンを治すよりもダメージが少ないぶん、費用が抑えられるということを心得ている。

R32スカイラインGT-Rに搭載するRB26DETTエンジンのオーバーホール作業

 生産終了からだいぶ時間が経っているので、製造廃止となった純正部品も多い。「ニスモ・ヘリテージ」で復刻したパーツも多いが、現役当時のように手に入るまでには至らない。

 そこで役に立つのがチューニングパーツだ。RB26DETTに向けたアイテムは今でも多数販売されている。パワーアップだけでなく、普段使いも考慮した良質なモノが揃っているのだ。精度、信頼性共に申し分ないレベルであり、しかもうまく使いこなせばノーマルよりも乗りやすくなる。

「純正」ということにこだわらなければ、エンジンの素性のよさがさらに引き出せる。パーツがなくて直せなくなるクルマが多い中、GT-Rは環境に恵まれていると言えるだろう。今でも最新のチューニングパーツが続々と開発されているのだ。

RB26DETT用の最新HKS製ピストン&コンロッドの単品

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