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「2年待ち」「300万円越え」でオーナー悲鳴! GT-Rの名エンジン「RB26DETT」のシビア過ぎるオーバーホール事情

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TEXT: 増田髙志  PHOTO: GT-Rマガジン編集部

「純正」にこだわらなければ選択肢は豊富

 たとえばピストン。大きな負荷がかかるので、オーバーホール時にはぜひとも交換したい。そんなとき純正の鋳造品とさほど値段が変わらず(場合によっては安価に)丈夫な鍛造ピストンが手に入る。消耗品であるターボもチューニングパーツの中には純正以上に低速域から力が出て乗りやすくなり、耐久性も向上するタイプが存在する。カムシャフトも同様に度数によっては中速域が太くなって格段に扱いやすくなるものが選べる。

RB26DETT用の東名パワード製ピストン、コンロッド、カムシャフト、クランク、ヘッドの単品

 エンジンのオーバーホールはそう頻繁には行わないので、多くのGT-Rオーナーはこのチャンスをフル活用している。スロットルやクラッチのリフレッシュなども単独で行うよりもエンジン作業時に同時に施工することで格段に作業効率が上がり、工賃を抑えることができる。ホース類やハーネス類などは地味に見えるが正常に働かないとまともには走れない。不具合の場所を探すのは大変だし、今やほとんどのR32の場合、経年劣化を考えてエンジンのオーバーホール時にゴム類はすべて交換することが多い。

R32スカイラインGT-R用のスロットルオーバーホール前後比較写真

 エンジン内部の燃焼室やポートなどは、走ることだけを考えれば手を入れなくても支障はない。しかし修正したり段付きを取り除けば、吹け上がりは見違えるほどスムーズになる。同じことが各部のバランス取り、重量合わせにも言える。

 あえてパワーを封印しているようなエンジンだから、それを解き放って思う存分に実力を引き出したいと少しだけ加工を施すことも少なくない。

加工済みのRB26DETTエンジンヘッド

GT-Rにはお金に換えられない価値がある

 GT-Rオーナーはそれぞれに行きつけのショップがあり、信頼しているメカニックがいることが多い。その「主治医」に作業してもらうため、順番を待っているというケースが非常に多い。人気のショップの場合、エンジンオーバーホール作業で1~2年待ちということもある。

 かつてはベアエンジンに載せ換えるのが一番お財布に優しかった。50万円前後でリビルトエンジンが手に入ったからだ。しかし今や新品エンジンは製造廃止状態。RB26DETTをリフレッシュする手立てはオーバーホールもしくは、いくつか存在するコンプリートエンジンを手に入れるしかないだろう。

東名パワード製RB26DETTコンプリートエンジン

 

 RB26DETTのオーバーホール費用はエンジン本体だけをオーソドックスにリフレッシュした場合で100万円台程度。ただ、エンジン以外の周辺パーツも劣化していることがほとんどなので、タービンなどの補器類も追加すればすぐに300万円台に達してしまう。それを高いと見るか、安いと見るかは価値観次第だろう。

 ただ一つ言えるのは、大金を費やしてでも大切に乗り続ければ、対価として十分な楽しみを与えてくれるのがGT-Rという存在だ。これからもクルマ好きに夢を与えてくれるRB26DETTは付き合い甲斐のあるエンジンなのである。

 

 

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