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真のポルシェ通なら絶対行くべき「聖地」の所蔵車が圧巻過ぎた

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田了,AUDI AG,Daimler AG,BMW

第2次世界大戦中にポルシェを支えたゆかりの町

 さて、続いてはグミュントのポルシェ博物館。先に、グミュントという町と博物館オーナーのプパイフォーファーさんが歴史的にポルシェと深い関りがある、としましたが、まずはその辺りから解説していきましょう。

 オーストリアの片田舎にあるグミュントは、じつは第2次世界大戦中に、ポルシェ社が戦禍を避けてやってきた疎開地だったのです。そして、ポルシェ博士が戦犯として幽閉されている間に、息子であるフェリーがポルシェ356を設計したのもグミュントに疎開中のこと。もちろん、初期の356はこの地で生産されています。ポルシェ356の木型 本社がシュトゥットガルトに戻ってからは生産も移管されることになるのですが、グミュントは356にとっては生まれ故郷であることは間違いありません。そして、この町に生まれたフォーファーさんは、疎開してこの地で自動車メーカーとして活動を始めたポルシェを見て育った経歴を持っています。だから356にはとりわけ思い入れが強く、コレクションを始め、後にポルシェ博物館をオープンさせたのです。

 そんな経緯でオープンすることになったグミュントのポルシェ博物館ですが、収蔵展示物もかかわりのある逸品が揃っています。その筆頭はポルシェ356を製作する際に使用された木型であり、その木型を使って叩き出されたアルミニウムボディを纏うポルシェ356ALU(Aluminium Karosserie)です。アルミニウムボディを纏うポルシェ356ALU

 また356を生み出すベースとなったフォルクスワーゲン(VW)のタイプ1、いわゆるビートルのシャーシ(フロアユニットにエンジン/ミッション/デフと前後のサスペンションを組付けたもの)も展示されていて、ここから356のイメージが膨らんできたのだと実感させられます。フォルクスワーゲン・タイプ1のシャシー

 またVWをベースにした356のユニットから911用のフラット6まで、各種のエンジンが勢揃いしている様は圧巻です。1959年ポルシェ1600GSカレラのエンジン

レーシングカーとしては

ポルシェ カレラ6ポルシェ カレラ6

ポルシェ935ポルシェ935あるいはインディカーレースで活躍したマーチ・ポルシェマーチ・ポルシェなどにも興味津々でした。

ポルシェ911のパトロールカーも見逃せませんね。ポルシェ911パトロールカー グミュントへのアクセスですがミュンヘンから南東に向かって国境を越えてくるのがお奨めのルート。約260㎞で時間的にはアウトバーンを使って3時間ほど。近くにはドライビングを楽しめるマウンテンロードも多く存在しており、356のロードテストをしたと伝えられる峠道もあるから訪問にはレンタカーがベストです。

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