メルセデスAMGの象徴となった「パナメリカーナグリル」
このメルセデスのモータースポーツにおける大きな成功をきっかけに、その後、メルセデスのレースエンジニアとして腕を磨き、1967年にはメルセデスを離れてAMGを立ち上げ、さらにモータースポーツで培ったノウハウを引っさげて、再びメルセデスのスポーツ部門を牽引していくことになるのがAMG創立者のハンス・ ヴェルナー・アウフレヒトであり、パートナーのエアハルト・メルヒャーだ。
彼らが培ったモータースポーツからのさまざまなノウハウは、やがて現在のメルセデスは元よりスポーツ性を極めるAMGモデルへと心血が注がれ、メルセデスのスポーツ性能を牽引することなる。そのフィロソフィーを現代に受け継いだモデルが、2017年に日本へ導入された後期型のAMG GTクーペで、15本の縦格子で構成されたパナメリカーナグリルを初めて採用。いまではエントリーモデルのA 35 4MATICなどの一部車種を除く、多くのメルセデスAMGモデルに装着されている。
抜群のコスパでカスタムアイテムとして爆発的にヒット
メルセデスのカスタム手法のひとつとしても注目される「パナメリカーナグリル」は、スタンダードモデルからのAMG化や、従来タイプのダイヤモンドグリルからパナメリカーナグリルに変更することで後期型AMG仕様にフェイスチェンジできるなど、最新のスタイルメイクに欠かせない大ヒットアイテムとなっている。
当初はパナメリカーナグリルのほか取り付けに必要なショートパーツを純正品で取り揃える必要があったため、決してお手軽に出来るカスタムではなかった。しかし、いまでは各車種用にキット化された製品がショップやパーツメーカーからリリースされており、10万円程度(工賃込み)で施工できるようになっている。
ハンス・ ヴェルナー・アウフレヒトとエアハルト・メルヒャーによる「モータースポーツこそが技術力の優位性を何よりも端的に示す」というAMG創立時の信念は、F1をはじめとしたメルセデスのモータースポーツ活動へと伝承されている。
そのフィロフィーを理解することでパナメリカーナグリル化のカスタムがより崇高なものになり、満足感をさらに高めてくれるはずだ。