世界一過酷なサーキットを走ってみたい
「世界一過酷なサーキット」と呼ばれる、ドイツの「ニュルブルクリンク」。欧州メーカーだけでなく、日本でもGT-Rを筆頭にタイムアタックや新車開発が行われることでも有名。いわばクルマ好きの聖地だ。ならば一度は走ってみたい。とはいえレンタカーでフラリと立ち寄って走れたのは昔の話。今は旅行者が走るためにサーキット走行専用のレンタカーが用意されている。コース周辺にはサービスが充実しているのだ。
日本チームも参戦する「ニュル24時間」が有名
ドイツの「ニュルブルクリンク」はクルマやレースが好きな人間にとって欧州はもちろん、日本でもかなりその名前が浸透しているサーキットだ。ニュルブルクとはドイツ語で「ニュル城」、リンクは「サーキット」を意味する。全長20.81kmの「ノルドシュライフェ(北コース)」と、5.14kmのGPコースで構成する。とくに「グリーンヘル」と呼ばれる「ノルドシュライフェ」は世界の数多くの自動車メーカーやタイヤメーカーが開発テストの地として選び、発表前のモデルが連日のようにコースを走り回っているのだ。
ヨーロッパの3大24時間レースの一つである「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」が開催される地としても有名。日本からも多くのチームが参戦してきた歴史があるので、誰もがその名を一度は耳にしたことがあるだろう。
テストやレースが開催されていない時間には、パブリック走行ができるように一般開放されており、誰でも自己責任のもとで走行できる。もちろん、日本人の観光客にも人気で、ドイツ旅行の際に自らステアリングを握り、ノルドシュライフェを走行経験のある方もいるのでは?
以前は一般のレンタカーで走れたが……
依然は一般的なレンタカーでの走行にもお咎めはなかったのだが、10数年前ほどからレンタカーでの走行は基本的に禁止となった。ゲートで係員に呼び止められたり、後にレンタカー会社からこっぴどく叱られたという方もいるようだ。
また、レンタカーのナンバーをスキャンしているとの噂や誰かが偶然撮った写真のナンバーにより、レンタカー会社が気付いた例もある。
とくに日本人の場合は「旅行者なのだから大丈夫だろう」と、空港等で借りたレンタカーでそのまま走行してしまう場合もあったが、以前に日本のレンタカー会社に問い合わせたところ、やはり年に数件はニュルで全損や部分破損をさせてしまったという事故が起きているという。
一般のレンタカーでのサーキット走行は認められていないので、もしも事故を起こしてしまったり誰かの事故に巻き込まれたとしても、それらの損害賠償費用は保険適応とはならない。借主へ全額請求をするとのことだった。車両破損だけならまだしも、年に数件はパブリック走行で起きている死亡・重傷事故に巻き込まれた場合を考えると、一般のレンタカーでの走行は絶対にやらないほうが懸命だろう。