モータースポーツユースを見据えた電子制御デバイス
GRヤリスの1.6Lターボ4WDには3つのモードを持つ4WDシステム、シフトダウンの際のブリッピングを行ってくれるiMT、エキスパートモード付VSCといった電子制御デバイスが付く。とくにヒール&トーが不要になるためブレーキ操作に集中できるようになるiMTと最低限のブレーキ制御だけを行っていると思われるVSCのエキスパートモードは速さにもつながっている。筆者もVSCのエキスパートモードの「楽なのに速い」という賢さは氷上走行で確認している。
モータースポーツベース「RC」の安さ
競技ベースのRCは安全装備やオーディオが付けられない(後者は何とかなりそう)という制約がある代わりに標準状態で330万円、エアコンなどのメーカーオプションをフルに付けても350万円台と、競技車両やチューニングベースとしてGRヤリスに乗る人には非常にリーズナブルだ。
大きすぎない純正タイヤ&積載性
GRヤリスのタイヤサイズは225/40R18と現代の4WD+ターボと考えればそれほど大きくないので、タイヤ代も安くはないけど許容できる範囲だろう。またRCの標準状態ならホイールを慎重に選ぶ必要はあるにせよ、15インチとなるラリータイヤなどの装着が可能な点もその種のタイヤを履く人には非常にありがたい。サーキットなどスポーツ走行に行く際には予備のタイヤを持って行きたいなど、荷物は多くなりがちだ。その点についてもGRヤリスはリヤシートを倒してできた部分に純正サイズのタイヤ4本が入るので、ラゲッジスペースには工具などの備品が積め、積載性も問題ない。
以上の要素によりGRヤリスは今後目立つトラブルが起きる可能性もあるにせよ、コンセプト通りモータースポーツやスポーツ走行といった使用にもピッタリのクルマに仕上がっているので、興味ある人はぜひ体験してみてほしい。