スタイルも幅広く、いま一番元気のいい「軽カスタム」が軽トラ
軽自動車カスタムの中でいま最も元気がいいのは、ズバリ軽トラ。そのスタイルも実にさまざまで、往年の「シャコタン&やんちゃ仕様」だけでなく、最近なにかと注目の「シャコアゲ」や「デコトラ系」もいたりと、とにかく見ていて楽しい。
この春に開催された、軽トラユーザー有志による巨大ミーティング会場でもそれは同様だった。普段は軽トラをイジるという同じ趣味を持つ者どうしで情報交換をしたり、ツーリングやオフ会を楽しんでいるという、仲間たちによる手弁当の集まりだったが、フタを開けてみれば北は千葉県、南は大分県から総勢161台のカスタム軽カーが集結し、会場は大賑わい。さらに今回は軽トラ以外の軽カスタムカーも来場。今回、その中からとくに会場で気になった数台をピックアップして紹介していく。
「どシャコタン」「小デコ」に「グリル移植」
まず最初に目がいくのがその低さ。軽トラックの足まわりにめっぽう強い「GTカープロデュース」製のサスキットを使ってこのローフォルムを実現。そこに合わせたホイールはBBSメッシュ。軽トラではあり得ないこの深リムを収めるべく、ワンオフのオーバーフェンダーで武装して往年のVIPカーテイストな装いに。エアロは軽トラックカスタムで人気の高い翔プロデュースのボディキットを指名している。
「シャコタン」ではなく「シャコアゲ」な2台
軽トラカスタムの新ジャンルとしていま注目上昇中なのが車高を落とす「シャコタン」の逆、車高を上げる「シャコアゲ」だ。実用性も兼ねつつスタイルアップも図れるのもあり、それまで改造車に興味のなかった人にも注目されている。この類のミーティングで見ることは数年前までほぼなかったが、数年前から徐々にその数を増やしつつある。そして今回もかなり存在感を示していた(車高が高いからか、シャコタンばかりだと目立つのもある)。
紹介するS510Pハイゼットトラックジャンボも、そんなアゲスタイルを貫く1台。ホイールはクリムソンの「MGビースト」を指名、そこにオフロードタイヤを組み合わせ、専用の足まわりでリフトアップをした「アゲトラ」だ。
もう一台も同じくハイゼット、しかもバンの荷台をカットした「デッキバン」をベースにした1台(荷台があるので軽トラ扱い)。行灯をつけたグリル、「いかにもな」ナンバーフレーム、その周辺を鱗柄のプレートで覆いバイザーもステンレスで「キラキラ感」強めに仕上げるなど、見るからにデコトラな雰囲気。通常の軽トラックでは見かけるものの、デッキバンベースなのが珍しい。
軽トラ以外にも個性的な軽自動車がいっぱい!
軽トラがメインではあったが、一般の軽自動車も参加OKという事で、じつに多くの個性的な軽カスタムカーが集まった今回のミーティング。その中でも多くのギャラリーの目に留まっていたスマートK。マッドブラックにオールペンしたボディに、差し色として蛍光グリーンを使って塗り分ける事で、モンスターエナジーをオマージュしたスタイルに仕立てていた。そしてなによりベース車自体が珍しかった。
最近のシャコタンカスタムのキーワードとして「US風」が挙げられるが、それをよく体現していたのがこのムーヴキャンバス。かわいらしいベース車はベッタリと車高が落としてチンスポには「ステッカーボム」、さらに最近はドレスアップでも人気パーツとなったバスケットタイプのルーフラックを奢るなど、全体的に今っぽさのあるイジり方。Dマークの代わりに移植されたVWエンブレムなど小技も光っていた。
他にも見どころが多い軽自動車が並んでいた今回のミーティング。改めて主催者(自身も凄いカスタム軽トラを多数輩出)に軽トラカスタムが流行した理由を聞いてみた。
「軽トラは作業車として活躍するクルマ。そんな軽トラをカスタムするとガラっと印象が変わり、それを面白いと思ってくれる人が多いのかなと。誰もが知っているクルマなだけに、そのギャップに圧倒されたり、喜んで貰っているんじゃないかと思います」。
なるほど、確かに「変わった度」は他の軽自動車カスタムと比べても圧倒的だ。