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「ひと踏み惚れ」して即買い! 元オーナーが語る「初代セルシオ」の「スポーツカー」並みのダッシュ力

トヨタ初代セルシオ

世界の高級車の常識を覆したトヨタ初代セルシオ

 1989年、トヨタは北米で立ち上げる新たな高級ブランド「レクサス」のために高級車「LS400」を開発。日本では「セルシオ」名でデビューさせた。そのクオリティに世界中の高級車メーカーは驚いたという逸話を持つ伝説的名車だ。では一体、新車当時はどのような乗り味だったのか? モータージャーナリストの津々見友彦が往時を振り返る。

クラウンを超える上級車種として市場投入

 1989年、レクサスLS400の日本版がセルシオがデビューした。目を見張ったのは洗練されたスタイリング。オーナーズセダンのクラウンを超える上級車種! それにふさわしくスッキリとした面が美しいサイドデザイン。フロントからリヤまで、不要な凹凸感がない。ボディサイドはブリスターのフェンダーが程よくセクシー。特に好きだったのがリヤ。面のスムーズな美しさに加え軽く跳ね上がるダックテールがたまらない。セダンながらスポーティなルックスが心憎かった。

ドイツ製高級車をも凌駕したインテリア

 インテリアもダッシュパネルやセンターコンソールはウッド張りでメルセデス・ベンツ、BMWなどの高級車の雰囲気がある。シートも硬めで、ドライバーの身体のホールド性がよく、それまでソフトでフワフワ感の国産乗用車と異なりヨーロッパ車そのもの。メーターも衝撃的だ。くっきりと細い線まで見える“自発光式”のアナログタイプ。キーをひねる度に美しく浮かび上がり見とれてしまう。

「魂」を抜き取られ思わずオーナーになった

 エンジンはV8。トヨタでは初代センチュリーやクラウン8もV8だったが、先進的なDOHC32バルブの4L、260ps(191kW)とパワフル。アクセルをひと踏みするとスポーツカー並みの軽快な加速感が楽しい。NAながら大排気量のトルクは大きく、発進加速の底力は流石だ。いざという時にダッシュが効くので安全性が高い。しかも驚くほどの静かさと滑らかな走り味。  すっかり魂を抜き取られてしまい、オーナーカーにしてしまったぐらいだ。美しくバランスの取れた優美なスタイリング。高い静粛性と快適な乗り心地。落ち着いたインテリアデザイン。前後ダブル・ウイッシュボーンのサスペンションが快適な乗り心地と落ち着いた操縦性で、安心して高速クルージングも楽しめた。

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