自動車評論家の国沢光宏もハイエースでエントリー!
4月10日〜11日の2日間で行われた全日本ラリー第3戦「ツールド九州2021in唐津」(第1戦Rally of Tsumagoiは中止)から、「CASTレーシング」のハイエース2台が参戦を開始した。世界初となる200系ハイエースでのラリー参戦は、自動車業界やハイエースファンの間で大きな注目を集めている。 結果を先に伝えると、No.25のMARUTOKU号(ドライバー国沢光宏/コドライバー大西理恵)が総合39位/JN-3クラス9位(86&BRZなどが参戦する排気量1500〜2500ccまでの後輪駆動車がエントリー)、No.26のSANKO号(ドライバー喜多見孝弘/コドライバー⽊原雅彦)はSS10でのパワステのトラブルにより、サービスパークまで自走で帰還したもののリザルトはリタイヤとなった。
ラリーのリポートは他記事にお任せして、ここではMARUTOKU号のドライバー国沢光宏さんのチームスタッフとしてラリーに帯同した筆者が、SANKO号のドライバーと参戦車両の製作&エンジニアを務めたサンコーワークス代表の喜多見孝弘さんと国沢光宏さんに「ハイエースでラリーに参戦する理由」を直撃した。
ハイエースへの感謝を込めて全日本ラリーへの参戦を画策!
―ズバリ、ハイエースで全日本ラリーに参戦する理由は何でしょうか?
【喜多見】200系ハイエースは商用バンが中心のため、正確な統計はあまりせんが、2004年の登場から17年経った今でも月販5000台は売れている超人気車です。職人さんをはじめとしたビジネスユースからキャンパーやバイクなどのトランスポーターといった、レジャーユースまで本当に幅広く愛されているクルマです。【国沢】200系ハイエースのユーザーはクルマ好きが多くて、カスタマイズされている率も高いですよね。
【喜多見】200系ハイエースはいろいろな形でのユーザーへの貢献だけでなく、弊社でも数多くの200系ハイエースのパーツを開発したことやクルマを製作してきたように、このクルマに助けられた自動車業界の関係者もたくさんいるんです。そんなクルマですから、私の中で200系ハイエースへの感謝も込めて「ハイエースでラリーに出る!」という構想を数年前から練っていて、それが今回実現しました。そこに丸徳商会さんとのお付き合いが始まり、弊社で200系ハイエース用に開発したCASTブランドパーツの一次代理店をお願いすることになったこともあり、200系ハイエースでのラリー参戦をパーツ開発も兼ねて提案してみたところ、「どうせやるなら地方戦ではなく日本のトップとなる全日本で、しかもライバルがいないと面白くないから2台体制でやりましょう」となりました。