「普通の人が選択しないクルマで参戦するのがライフワーク(国沢)」
―国沢さんがドライバーとして参戦するに至った経緯を教えてください
【国沢】僕が運転することになったのは、喜多見さんが2台目のドライバーを探しているときに丸徳商会さんに僕を推してくれました。昨年のクリスマスにお話をいただき、もちろん「イエス」と即答しました。まあ、喜多見さんに製作してもらった初代リーフ、初代ミライ、WRX S4と普通の人がやらないクルマでラリーに出るのがライフワークになっていたのと、「いつかはハイエース」というのが悲願だった。とはいえ本当に乗ることになるとは夢にも思っていませんでした(笑)。【喜多見】200系ハイエースは特に海外ではコピー車両があるくらいステータスのあるクルマです。しかし日本では「アルファードでも狭いので、200系ハイエースに乗り換えた」という方も一定数いるのに、そういった方がご近所から微妙な目で見られることもあるそうで、このチャレンジでは「200系ハイエースをバンと呼ばせないクルマにする!」というのも大きな目標にしています。
【国沢】200系ハイエースでのラリー参戦には「面白い、見てみたい」といった肯定的な意見だけでなく、「横転するんじゃないか? 危ないんじゃないか?」という声もあるでしょう。その点に関してはどんなクルマでも限界を超えたらアンダーステアやオーバーステアといった危険な状態になるのは同じです。そうならないようにクルマが正確なインフォメーションを伝えることやマイルドな限界特性とするのがクルマのセットアップなので、それを200系ハイエースでやっていくというのは、パーツやクルマの開発においても意義のあることだと確信しています。まあ、やっていくうちにいろいろ課題は出ると思いますが、それが面白いですからね。
新パーツの投入で次戦はさらに戦闘力を高めて参戦する
―最後に現時点での目標や今後の展開をお願いします。
【国沢】まずはJN-6クラス(ハイブリッドカーやEVに加え、1.5L以下のAT車が参戦するカテゴリー)を1台でもいいから負かすことですね。
【喜多見】今回はぶっつけ本番に近い状態ですが、今後投入するパーツの開発も進めていますから期待してください。 なお、CASTレーシングは全国各地から集まった腕利き揃いのメカニック隊をはじめ、丸徳商会のスタッフやサンコーワークスの関係者といったさまざまな人が集まったラリーに真剣に参加しながらエンジョイしているチームでもある。
今後CASTレーシングは以下の全日本ラリーとトヨタガズーレーシングラリーチャレンジに参戦する予定だ。ぜひ、仕事やプライベートでハイエースをお使いの多くのオーナーの方々にラリー観戦して欲しいし、お越しの際はサービスパークへも足を運んでほしい。もちろん続報もお届けしていく予定だ。
CASTレーシング ハイエース ラリー参戦スケジュール
■全日本ラリー
第5戦 RALLY丹後2021(5月21~23日、京都府)
第6戦 MONTRE2021(6月11~13日、群馬県)
第9戦 RALLY HOKKAIDO(9月10~12日、北海道帯広市)
■トヨタガズーレーシングラリーチャレンジ
第5戦 渋川 伊香保(7月3~4日、群馬県)
第10戦 高岡 万葉(10/9~10日、富山県)