自然をダイレクトに学ぶキャンプだからこそ気をつけるべきこと
キャンプ中に天候が急変したらどう対処すればよいでしょうか。もっとも安全な有効策は「撤収する」ことです。とはいうものの、急変の度合いや装備、場所によってはキャンプ続行が可能な場合もありますし判断は難しいのが実情です。さて、どうすればいいのでしょうか。
気象情報を常に入手し安全側に寄った判断を心がける
大丈夫だろうという楽観や過信には正常性バイアスがかかっており、フィフティ・フィフティならより安全側を選択するべきです。
その判断の基準となるのが正確な情報です。スマホやタブレットが使える場所なら気象情報を入手。サイトの現場ではつながらない場合も、管理棟などではつながる場合もあります。
GW明けくらいまではメイストームに注意
日本では4月から5月にかけて日射も強くなり、太平洋の暖気と大陸の寒気がぶつかって低気圧が急発達することがあります。5月の嵐、メイストームです。強風、ゲリラ豪雨、雹、落雷といった悪天候に急変するため、テントが飛ばされるなど大変危険です。悪化が予想されるときは早めに撤収したほうが得策です。
もし間に合わなかったら自動車や管理棟などに避難したほうがよいでしょう。自動車は落雷時に車内に通電しませんので安全です。危険なのは樹木の陰、バーベキュー・炊事場など避雷針が未設置のトタン屋根がけのスペースは柱から側撃雷が発生します。
川近くのキャンプ場は上流の天候にも留意する
川のそばのキャンプ場は、上流域で豪雨が降った場合に急な増水が起こることがあります。キャンプ場以外の河原・河川敷など管理者がいない場所でのバーベキュー等のデイキャンプも同様ですが、上流のダムが放流を行うこともあり急激に増水します。サイレンや巡回による警告などを受けたら素早く撤収するべきです。
落石、崖崩れ、路肩崩壊などクルマの運転には細心の注意を
近年は豪雨になることも少なくないですが、まれに道路が寸断されキャンプ場が孤立することもあります。幹線道路からキャンプ地までのルートで落石や土砂崩れ、倒木、路肩崩壊、河川氾濫が起こるとクルマで移動するのはかえって危険です。通常、普通車が安全に走行できる水深は20cmまでと言われていますが、これはおおかたアスファルトなどの路面の場合で、ダートでは冠水以前にスリップやスタックの危険もあります。いち早く避難しようとむやみに車を走らせると巻き込まれるリスクもあります。夜間だとリスクは倍増します。