【日産ARC-X】初代セフィーロをほうふつとさせるスタイリング
これに続く1987年の第27回東京モーターショーでは、日産はCUE-Xのコンセプトを受け継ぐARC-Xを出品した。メカニズムのハイライトは、電子制御を駆使した情報関連の総合制御システムだ。また、アクセルやATの変速には電気式のドライブバイワイヤを採用している。これらのほか可変速補機駆動システムも導入した。
またARC-Xは、現代のクルマを先取りしたプレミアムセダンだった。電子制御LSDやHIDヘッドライト、バックレスト中折れ機構のパワーシートなどを装備している。エンジンは3LのVG30DE型だ。ARC-Xは縦置きだったが、CUE-Xでは横置き方式とした。
余談だが、ARC-Xに始まるコンセプトカーの技術は、後にインフィニティQ45に採用されて開花する。ARC-Xでは公開できない技術も多かったようだ。また、日産はハイパフォーマンスに耐えられる高性能4WDの可能性を追求したが、1985年当時、電子制御トルクスプリット4WDは難問山積で実用化のメドは立っていなかった。この技術は1989年夏、R32スカイラインに採用され、90年代に主役の座に就くのである。
【日産NEO-X】初代シーマのご先祖?
そして1989年のショーには発展型のNEO-Xをデビューさせている。「インテリジェント・ダイナミズム」を設計コンセプトに掲げ、エンジンはインフィニティQ45と同じ4.5LのV8DOHCだ。三次曲面を多用したセダンボディは空気抵抗係数Cd=0.26と発表された。 バブル期だけに最先端技術はテンコ盛りだ。ファジー推論やニューラルネットワークなどの概念に基づいたAI制御が目を引いた。また、赤外線による暗視装置や液晶調光式のサンシェードルーフなども注目を集めた。901活動を背景に、この時期日産は走りの実力を磨いた。