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「カラス」に食べ物を落とされ「進路妨害」? 「サーキット」のルールを破ると起こり得る「悲劇」

周囲に気配りしながら使用する

 一般道とは異なるマナーやモラルが存在するサーキット。それはコース上に限らずピットやパドックも同様だ。恥ずかしい思いをしたり事故を起こさないためにも、代表的な『絶対ダメな行為』を列挙してみよう。

使ったらキレイにして帰るのが基本

 まずはピットの使い方に関して。改めて説明するまでもないけど、ゴミや汚れを放置したまま帰るのは絶対にやめよう。壊れたパーツや食事のゴミは必ず持ち帰り、オイルや砂で汚れたらキレイに掃除する。次に使う人が気分を悪くしないよう、借りたときよりキレイにして帰るのが常識だ。 サーキットへ持って行くべき道具として、ウェスやパーツクリーナーが必ず挙げられるのは、自分が使ったピットやパドックを掃除するためでもあるのだ。

基本的にピットエリアは火気厳禁

 次は火気に関しての注意点。サーキットにはガソリンやオイルなどの可燃物を携行することが多く、走行中はそれらは自分のピットで保管することになり、当然ながら『火気厳禁』なのは少し考えれば分かるはず。 しかし現在でもピットで喫煙する人はガッカリするほど多い。どんなサーキットでも喫煙できる場所が決められているので、タバコを吸う人は到着したら必ず喫煙所の位置をチェックしよう。

 同じ火気では調理に関しても気を付けること。カップラーメンやコーヒーのお湯を沸かすときは、炎が出るガスバーナーやカセットコンロではなく、安全な電気式の調理器具を使うようにしたい。 なおタバコと一緒でパドックだから安全というワケじゃなく、どうしてもガスや炭のコンロを使いたい場合は自分で勝手に判断せず、まずサーキットに確認し場所を指定されればそこで、もし全面的に禁止されていれば素直に従うべし。

ピットエリアはあくまでも走行する人が使う場所

 もうひとつはピットでの大掛かりな作業。セッティングや急なマシントラブルの対応は別として、ピットはあくまでも走行する人が使う場所であり、レンタルガレージではないと心得よう。数年前に平日でイベントもなく、人の少ないときではあったけど、ご丁寧にエンジンクレーンまで持ち込んで作業している人を見たことがある。

パドック内は徐行が基本

 次は上で挙げた以外のパドックにおけるNG行為。残念ながら頻繁に見るのはパドックを勢いよく走るクルマ。テンションが上がったのか急いでいるのかは知らないが、パドックには他のクルマもいれば歩行者もいる。愛車を全開していいのはコース内に限られており、パドックは周囲に気を付けながら徐行する場所と覚えておこう。全開走行が禁止なのはピットロードも同様だ。 サインガードとピットの間を横断する人もいれば、彼らが必ずしもピットロードを通行するクルマを見ているとは限らない。イベントによっては厳しく制限速度が設けられており、公式レースでは違反するとペナルティが与えられる。つまり、それだけ事故が起きやすい場所ということなのだ。 またピットロードにいつまでもクルマを放置したり、自力でピットまで戻れないような場合は別として、時間のかかる作業を行うのも控えておこう。

壊れたパーツ類は絶対に持ち帰る

 なお冒頭でゴミをピットに放置しないと書いたが、サーキットに捨てていいのは食べ物の袋など一般的なゴミであり、廃タイヤや割れたエアロなど置いて帰るのはとても非常識だ。 このマナー違反も昔から苦言を呈されており、あまりの酷さにゴミ箱を撤去したサーキットもある。処分するには当然ながら費用も手間もかかるワケで、不法投棄が増えるほど処分料や人件費として経営を圧迫してしまう。食べ物でよく聞くのは車外に置いていたら、カラスに取られてしまったという体験談。 それだけなら単なる笑い話で済むかもしれないが、コース上に落とされて事故の原因になる確率はゼロじゃない。最後は小さい子供やペットと一緒にサーキットへ行くとき。いくら何でも走るとき放置する人はいないだろうが、たとえ短時間であっても絶対に目を離さないでほしい。

 とくにピットロードやサインガードは基本的に子供の立ち入りが禁止だし、パドックにせよ全員がマナーやモラルを遵守しているとは限らない。大切な家族を危険な目に遭わせないよう、同行者の行動についても自分で責任を持つことが重要なのだ。

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