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印象的だったのは「速さ」より「コーナリング」性能! 元ワークスドライバーが語る「トヨタ2000GT」真の実力

伝説の「2000GT」新車当時はどんな乗り味だったのか

 生産台数の少なさやその美しいスタイリング、中古車価格の高騰など、半ば伝説と化しているトヨタの2000GT。新車当時の乗り味はどうだったのか? 当時、トヨタのワークスドライバーとして同車のステアリングを握った経験を持つ津々見友彦が、当時を振り返る。

今なお古さを感じさせないスタイリング

 1967年トヨタが開発した美しいスポーツカー、「トヨタ2000GT」はヤマハとトヨタのコラボレーションの結晶だ。ヤマハのグランドデザインをトヨタの開発責任者、河野二郎氏率いるチームの野崎喩氏が卓越したデザイン力で ロングノーズの“美しいスポーツカー”が誕生、魅力の大半を占めている。今見ても新鮮で、古さを感じさせない。 エクステリアの他に美しいのはインテリア! ヤマハの楽器造りが活かされメーターパネル、センターコンソールなどウッドパネルが工芸的価値を高める。 エンジンはトヨタの3M型直6、2Lにこれまたヤマハ得意のDOHCヘッドとソレックス3連キャブによりチューンされ150psを出していた。ただし、車重が1120kgあり、パワーウェイトレシオは7.46kg/psとスポーツカーとしては標準的。

レースや連続スピード記録にも挑戦

 じつは鈴鹿1000kmレースで総合優勝、谷田部のテストコースで72時間の連続スピード記録挑戦にレーシングのトヨタ2000GTで参加した。これらのマシンはエンジン出力も高く、軽量ボディのため、動力性能は高かったが、生産車では動力性能はじつは大人しかった。その後に対米仕様はMF12L型の2.3Lとなりトルクの増強が図られたのもうなずける。 だが、走りで褒めたいのは、X字のバックボーンフレームに4輪ダブルウィッシュボーンのサス。キビキビではないが、GTらしくコーナリングを程よくシャープに狙える。鋭く侵入した後も、リヤはしっかりと粘る! この粘りの程良さが安心してコーナリングができるのだ。乗り心地も不満ない。4輪ディスクブレーキも褒めたい。レースで育ち凛々しいスタイリングのトヨタ2000GTは育ちの良い走る「貴公子」なのだ。

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