50thアニバーサリー「GT-R & フェアレディZ」のボディカラーの由来
2019年4月、日産自動車はNISSAN GT-R (以下R35GT-R)2020年モデルの発表と同時に、2台の限定モデルを発表した。NISSAN GT-R 50th AnniversaryとフェアレディZ 50th Anniversaryである。それぞれにあしらわれたストライプのカラーリングデザインに込められたものを、今一度振り返ってみたい。
GT-Rは往年のレーシングカーをオマージュ
「NISSAN GT-R 50th Anniversary」は、日産の“GT-R”ブランド生誕50周年を記念した限定モデルで、 NISSAN GT-R 2020 年モデル の Premium edition (プレミアムエディション)をベースにしている。
外観の特徴的な縦のストライプは、レースで圧倒的な強さを見せ、スカイライン伝説を作り上げた初代スカイライン2000GT-Rのワークスカーのカラーリングのオマージュ。
その目的は、ツーリングカーレースに圧倒的な強さで勝つこと。
スカイライン2000GT-Rは、1969年5月の“1969JAFグランプリレース”でデビュー・ウインを飾ると、その圧倒的強さを見せつけた。さらに1970年10月のマイナーチェンジでショートホイールベース化したスカイライン ハードトップ2000GT-Rを発売。戦闘力を大幅に向上させ、怒涛の勢いで勝ちまくり1972年3月の“富士GC・300kmスピードレース”でついに通算50勝の偉業を達成した。
そしてボディカラーは3種類。2020年モデルの新色として採用した“ワンガンブルー ( 4RPM)”のボディカラーには白のストライプ。ブリリアントホワイトパール( 3P )のボディカラーは赤いストライプ、アルティメイトメタルシルバー( 4M )には白のストライプが入る。また、各モデルともリヤに“ GT-R 50th Anniversary” の文字をあしらった エンブレムとステッカーを装着する。
一方、インテリアはミディアムグレーの専用内装色を採用し、セミアニリンレザーを使用するとともに、シートのサイドはわずかに明るいグレーを配色。さらにセンターコンソールやメーター内、シートやキッキングプレートにも50 周年を記念するロゴを配置するなど、高級感あふれる空間でオーナーの所有欲を満たす演出がなされている。
並び立つ「フェアレディZ」はBREをリスペクト
「フェアレディZ 50th Anniversary」は、フェアレディZ生誕50周年を記念したモデル。
フェアレディZ 50th Anniversaryのレーシーなエクステリアは、1970 年にアメリカの SCCA (スポーツ・カー・クラブ・オブ・アメリカ)のレースで優勝した“Datsun 240Z BRE ”のカラーリングをモチーフとしている。
BREとは、アメリカのレーシングカーデザイナー、ピート・ブロックが率いる“Brock Racing Enterprises”の略称。初代フェアレディ240Zは国内のレースでも活躍していたが、メインマーケットであるアメリカ市場でのレース活動ではBREが大きく貢献していた。
フェアレディZ 50th Anniversaryのボディカラーは2種類。“ブリリアントホワイトパール(3P)”のボディカラーに“バイブラントレッド ( C)”の 組み合わせと、“ブリリアントシルバー(M)” のボディカラーに“ダイヤモンドブラック(P)”の組み合わせの二つ。ホイールは赤いラインの入った19インチ専用アルミホイール。またフロントフェンダーには50周年記念を象徴するステッカーを配置、リヤにも同じくエンブレムを追加している。
2020年3月までの期間限定販売とされた、2台の特別仕様車NISSAN GT-R 50th AnniversaryとフェアレディZ 50th Anniversary。どちらも日産を代表するスポーツブランドとして、モータースポーツフィールドで活躍した初代のレースカーをオマージュしたエクステリアは、ちょっと派手だけど走りのDNAを感じさせる限定車だった。