ホイール「カラーメイク」最新トレンド
カスタマイズの最初の一歩としてホイール交換を選ぶ方も少なくない。デザインを変えるだけでイメージは一新。気分新たに楽しめるというもの。「オシャレは足元から」というのは人間もクルマも同じこと。ホイールメイクは基本でありつつ、難しい。最近では定番のシルバーや黒だけでなく色で楽しむ「カラードホイール」も増えてきた。コーディネートは難しいが、ハマればひと際輝くこと間違いなし。2021年注目のカラーホイールメイクについて考えてみたい。
オプションで選べる「セミオーダー」とは
最近、有名ブランドのアルミホイールを中心に、シルバーなどの定番以外にオプションカラーを設定していることが多い。プラスアルファの金額は掛かるが、同じデザインでもまったく別物のイメージとなり、知っている人は積極的に利用しているようだ。
こうしたカラーオーダーはすでに浸透しつつあるが、ここ数年、さらに個性的なフィニッシュが増えてきたという印象が強い。
「オプション色」や「付加アイテム」に注目
例えば「ワーク」の「カスタムオーダープラン」もそのひとつ。12色のカラーや6色のカラークリア、特殊カットクリアなど、多彩なカラーオーダープランを用意しているのだ。
2019年には「カラリズムクリア」を発表。見る角度や光の加減で色が変化する「アステリズム」やビビッドなキャンディカラーなど、革新的なラインアップが勢揃い。
ボディカラーに合わせてもよし、ダークなモノトーン色に足元だけ鮮明に見せるもよし、グンと注目度が集まることは間違いなしだ。
これとは真逆に、長年愛されている色があるのも事実。その筆頭となるのが「レイズ」の「ボルクレーシングTE37シリーズ」に設定されているブロンズ(アルマイト)だろう。
TE37シリーズは新モデルが出るごとに新色を登場させているが、初代から変わらないのがブロンズなのだ。軽量というアルミホイールに求められる性能のひとつを可能な限り実現するため、塗装ではなくアルマイト処理した結果である。
スポーツモデルに好まれるモデルであるがゆえ、生まれた「カラー」である。
こうした全体のカラードだけでなく、一部の色にこだわるホイールも少なくない。「ウェッズ」が手掛ける「ブラックエディション」は、リムをブラック化するメニューだ。リムとディスクのコントラストが威風堂々とした雰囲気を醸し出す。「クレンツェ」と「マーベリック」で可能という限られたサービスだが、装着の場合はぜひチャレンジしてみたいものだ。
ホイールにパーツを追加してイメージを変える手法もある。「クリムソン」のMGブランドで展開している「ストリートロック」という外周パーツで、レッド、ブラック、シルバーを用意。同じホイールでも気分によって付け替えて楽しめる。
「差し色メイク」というテクニック
ホイール全体に色を使うのは敷居が高過ぎるというならば「差し色メイク」を楽しんではいかがだろう?
「ボルクレーシングTE37SL」は6本という太いスポークの1本にだけレッドステッカーを施すことで、特別感が与えられている。ひと目でそれとわかるアピールは効果的だ。
この手法は輸入車系のカスタマイズユーザーからも注目されており、一時は別のホイールでも1本だけ鮮やかな色を差すというのが流行った。
「エモーションZR10」のようにリムとスポークの1本にだけ色を与えるのも一つの手法だ。ホイールのデザインによってはウエッズスポーツの「SA-99R」のようにスポーク奥に色を差して、よりさり気なくカラードを楽しむのもいい。
一般的なイメージとして赤や白、青など鮮やかな色はスポーティなイメージで、ダークでありつつ艶のある色や濃いめのゴールドはドレッシーな印象だ。自分のクルマをどういったイメージに見せたいかによって使う色を決めればいいだろう。
色を足すならどこかで「引き算」が必要
日本でのホイールカラードメイクは、輸入車系のカスタマイズ好きから流行りだしたと言われている。白いボディに真っ赤なスポークホイールを合わせたBMW M3がいたり、深緑などのアースカラーにあえてビビッドが水色を合わせたVWゴルフもいた。まさかと思う色合わせが、抜群のオーラを生み出すのだ。
あまり失敗せずに一体感を出せるのがボディと同色にすること。まとまりが生まれて個性的なおしゃれ感が引き立つので、カスタマイズ初心者にオススメと言える。
しかし、ここで注意しなければいけないのは、「色」というかなり大きな足し算をするぶん、どこかで大胆な引き算を施したほうがいいということ。例えば、ボディカラーは白黒グレーなどのモノトーンにするとか、余計なラインを減らすようにボディにスムージングを施すなどだ。
足し算だけでは「てんこ盛り」感が満載となり、ガチャガチャとしたウルサさが出てくる。
ホイールに限ったことではないが、カッコよくカスタマイズを楽しむには、足し算だけでなく引き算も重要となることを忘れてはいけないのだ。