快適で安全な滞在のための失敗しないサイト選び
他人との距離を保って家族だけで楽しめる。今、「オートキャンプ」に出掛ける人が増えています。キャンピングカーなど特別なクルマがなくても、人と荷物さえ搭載できれば、大自然を堪能できるのです。都会から少し離れた場所にもオートキャンプ場は増えています。しかし、ブームであるがゆえに激混みだったり、残念なスペースにテントを張ることになったり……。そこでビギナーでも失敗しないためのオートキャンプ場や場所の選び方について、考えてみたいと思います!
【Q1】繁忙期はいつですか?
【A】人気のキャンプ場は早めの予約が必須です
昨年のオートキャンプ参加人口は約860万人と推計され、5年連続で前年度を上回っています。迎え入れる施設も全国に1300カ所近く整備されていると言われています。それぞれ特徴のあるオートキャンプ場のなかから希望に合った施設を探し出すのは難しいかもしれませんが、一般的に人気となっているのは以下の条件に合ったキャンプ場です。
1.高速道路のインターチェンジからの距離が比較的短くアクセスがいい。
2.近隣にコンビニやスーパーマーケット、ホームセンターなどがあって買い出しがラク。
3.各区画の間隔が広い。
4.温泉施設を併設、または近隣にある。
5.地元野菜の収穫体験や、天体観測、ホタル観賞などが楽しめる
6.場内に釣り場・釣り堀や大型のアスレチック施設などがあり、アミューズメントが充実している。
最近ではウォシュレット付き洋式水洗トイレやシャワー施設を設けたキャンプ場も増えています。総じて家族全員が無理なく快適に過ごせて楽しめる施設が選ばれているようです。もっとも、人気があるということは予約が取りにくいということ。スケジュールが決まったら、できるだけ早め(概ね3カ月前)の予約が必須です。
【Q2】オートキャンプは未経験なので不安です
【A】「キャンプインストラクター」が在籍しているキャンプ場がおすすめです
全国に約1300カ所を数えるオートキャンプ場の中には、未経験者・初心者にとって心強い施設も少なくありません。その目安となるのが、日本キャンプ協会が認定した「キャンプインストラクター」の在籍の有無です。
キャンプインストラクターとは、キャンプのアクティビティから安全、ルール&マナー、野外炊事、テント設営までの全般的な知識を習得し、キャンプ場来場者が安全で楽しく過ごせるよう指導する資格を持つ人のことです。
ビギナーにとって悩ましいテント、タープの設営の手助けや、効率のいいサイトレイアウトのアドバイスなど、キャンプライフをサポートしてくれる頼もしいスタッフです。すべてのキャンプ場に在籍しているわけではありませんが、予約の際、自分が未経験/初心者であることを伝え、(キャンプインストラクターがいないとしても)サポートやレクチャーを受けられるか否かの確認はしておきたいものです。
自己流も悪くありませんが、最初はプロから教わるのが、今後の安全・快適なキャンプライフを送るための一番の近道です。
【Q3】区画を選ぶ際のポイントを教えてください!
【A】地面と陽射しが快適性に大きく影響します
地面についてはまず平らであることが基本です。傾斜や岩や大きな石がある場所は、テント、タープを固定するためのペグ(杭)が刺さりにくいうえ、身体を水平に保ちにくかったり、凹凸による身体への突き上げが強かったりと、快眠を得られにくいからです。また、降雨を考えれば、砂礫や砂利、芝生など、水はけのいい地面が理想といえます。
陽射しも重要で、イメージ的には陽当たりのいい区画が好ましいように思えますが、陽気のいい季節(とくに夏場)は日陰を作るタープを張ったとしても、陽射しが区画全体を熱し、その熱でテント内の温度が我慢できないほど上昇します。外気温の低い時期はともかく、じつは直射日光を遮ってくれる木陰のある区画がベターなのです。
フリーサイトはなるべく上記の条件に合う場所を探して設営するのが望ましく、また、割り振りはキャンプ場の判断となる区画サイトも、予約の際に希望だけは伝えておくといいでしょう。
【Q4】どんな立地が初心者に向いていますか?
【A】風や外気温に注意が必要です
キャンプ場の立地は、山あいや高原、高台、海沿い、川岸、湖畔など多様で、選択肢は豊富です。ただし、立地に応じた注意が求められることがあります。
たとえば標高の高いキャンプ場は、夏場の日中でも涼しい半面、朝晩は冷え込みます。標高は「100m高くなるごとに気温が約1度下がる」と言われ、平地と同じ感覚で服装や寝具を考えていると寒さに耐えられません。
また、周囲が開けた高台などは眺望が期待できる一方、テント、タープの設営やバーベキューの際などに風の影響を大きく受けることもあります。逆に陽気のいい時期の低地でのキャンプは、夜でも暑さを覚悟しなければならない場合もありますし、熱中症や脱水症状の対策も必要になります。
利便性の高い場所にあるキャンプ場が人気ですが、都市部から離れた場所ほど人工的な建造物や音・光が減り、空気も澄むなど自然の濃度がアップ。昆虫採集や星空観測などを楽しめる度合いが格段に増します。さらに、比較的混雑も少ないので、クルマの運転が苦痛でなければ、自然と存分にふれあえる人里離れたキャンプ場に足を伸ばしてみることをお薦めします。
【Q5】「おひとりさま」でもOK?
【A】 「秘密基地」気分が味わえるソロキャンプがブームです
ここ最近、ひとりの宿泊=ソロキャンプが、30~40代の男性を中心に人気です。
「気を使わず、アウトドアで気ままに過ごしたい」というのが理由のようですが、子供のころからの憧れである 「秘密基地」気分を味わえる格好の環境がオートキャンプ場で、ひとり用のミニマムなテントを設営して小さなコンロで肉や魚を炙り、お酒を飲みながら過ごすのが定番のスタイル。なかには仕事を持ち込んでいる人もいるようです。また、オートバイにコンパクトなテントと最小限の用具を積んで訪れるソロキャンパーが増えています。
施設側もこうしたニーズに応え、ソロキャンプ専用サイトを設ける施設も増えています。
【Q6】手ぶらでキャンプできるって本当ですか?
【A】まずはレンタルで試してみるのもいいでしょう
キャンプに興味が沸いて、初めて挑戦する人にとってありがたいのが多くのオートキャンプ場で行っている用品のレンタルです。
テント、タープのほか、テーブル・椅子、炭火コンロや食器など、さらにキャンプ場によってはバーベキューの食材を予約することも可能です。もはや、何も持っていなくてもキャンプが楽しめる時代です。
また「試したけど、キャンプは自分に合わない」という人もレンタルなら無駄な投資をしないで済みます。「今後も続けていきたい」人にとっては、各用品の使い方などを習熟するうえで有効な手段になります。
もっとも、それぞれの用品の必要性がわかっていないと、数多あるレンタル品も活用できません。食材を保冷するのに必要となるクーラーボックスはレンタルもありますが、釣具店や量販店で5000円から用意できます。また、夏場や陽気のいい時期はタオルケット1枚で十分なこともありますが、テント泊の場合は外気温に応じた寝具が必要です。地面からの突き上げを緩和して快眠を差ポーツするマットも必要不可欠となります。
近隣に店舗のない人里離れたキャンプ場では、お菓子や飲み物、キャンプ用品などを置いている売店も充実していることが多いです。
参加人数、季節・気温、どんな調理をするのか、宿泊するのか、日帰りなのかなど、あらかじめさまざまな条件を想定しておけば、無駄な借り物をせずにすみます。