ミニカーからボディを採寸しFRPでカウルを製作
では、具体的にどうやって造っていったのだろうか? もっと詳しく記していこう。コカウンタックLP360同様に、マッハ号の石膏原型は550ccサンバートラックのフレームを使っていた。ボディはプラモデルから寸法を採寸し、原型を造っていった。「プラモデルを引き伸ばした形はとても貧弱だったので大きなダイキャストモデルのボディラインを参考に自分で盛ったり削ったりしながら決めました」。 しかし、石膏原型が完成するまでにとても時間がかかってしまい、このぶんでは自分が生きているうちにマッハ号を完成させられない……と思い始めた福田さんは、フレームから造るのではなく、FRPボディを車体に被せる方法に変更した。
代車に用意していたロードスターをマッハ号にカスタム
福田さんはプラモデルから出した寸法を計算したところ、FRPボディの大きさが、お客さんの代車に用意していたユーノス・ロードスターにピッタリということが判明。オープン2シーターでちょうどいいなと思い、ベース車両を決定した。「初めて挑んだ石膏原型造りとFRP雌型造り、それとFRPボディとベース車を合体させる際の帳尻合わせ、苦労しましたね」と、懐かしそうに話してくれた福田さんは、このようにも振り返ってくれた。 途中、FRP製作が上手くいかず、半年ぐらい作業が止まったままのときがあったりしましたが、2002年に製作を始めて完成させるまでに15年(2017年完成)ほどかかりました」。 ボディ以外にもマッハ号は他車種の部品を流用している。例えば、ホンダS2000用のシート、スズキ・スイフト用の社外ヘッドライト、トラック用のサイドマーカーランプ、トヨタMR2用のマフラーなどを上手く流用することでリアルさを追究することができた。