テスラやBNW i3からワンペダルはメジャーに
アクセルのワンペダル操作は、そもそもEVで普及した。初代リーフでもその効果は利用されたが、ワンペダル操作を強く意識させたのは、米国の「テスラ」や、ドイツの「BMW i3」といったEVだ。それらは、EVらしい運転操作を商品性としたためである。一方、初代リーフは、ガソリンエンジン車からの乗り換えでもあまり違和感を覚えさせないように考え、ワンペダル操作をあまり強調しなかった。
しかし、せっかくリーフの電気駆動系を応用した新しいHVをe-POWERとして売り出すに際し、日産はe-POWERの第1弾となった「ノート」でワンペダル操作を商品性のひとつとしたのだ。
では、モーター駆動だとなぜワンペダル操作ができるのか。
先にも解説したように、モーターと発電機は機構が同じである。そして電気を流せばモーター内の磁力によって回転力が生まれ、クルマを走らせる。より多くの電気を流せば強い加速が得られる。
逆にアクセルを戻せば電気が流れなくなり、モーターは発電機に切り替わる。このとき、内部の磁力によって抵抗が生じ減速力が働く。たとえばエンジンブレーキのような感じだ。
アクセルワークは年齢関係なく運転向上に重要
回生ブレーキの強弱は、アクセルペダルの戻し方で調節できる。素早くパッと戻せば、急ブレーキを掛けたような強い減速になる。ゆっくり戻していけば、徐々に速度が落ちていく。
アクセルペダルの戻し加減によって、停止線に合わせてクルマを止めることもできる。それほど難しい操作ではなく、1~2度試せばコツをのみ込める。
しかし新型ノートでは、アクセルペダルを戻しても減速はできても停止まではできない制御に切り替えた。クルマが止まることに対し、ブレーキペダルを踏む意識を持たせるためだ。
それでも、アクセルペダルだけで停止できるのがモーター駆動の特徴であり、それによってペダル踏み替えの回数を減らすことにつながる。
したがって、ここからは提案であるが、スイッチやシフト操作などで停止できるかどうかの使い分けすることも可能であり、運転者の好みに応じて選べるようにしてはどうか。
慣れないうちは、減速がギクシャクすると感じる人もいる。だが、穏やかなアクセル操作は、エンジン車においても燃費向上のコツのひとつともなる。ワンペダル操作を滑らかに行えるようなアクセル操作は、上手な運転につながることなのだ。